『次期FRB議長』は誰になるの?

2017/10/20

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米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、2018年2月に4年間の任期を終えます。FRBは金融政策を通じて、米国経済のみならず世界経済に大きな影響を及ぼします。それだけにFRB議長の人選からは目が離せません。11月初旬までには次期議長が指名される見通しですが、現時点ではパウエル現FRB理事やウォーシュ元FRB理事などが有力視されているようです。

【ポイント1】候補には、イエレン現FRB議長のほか4名の名前が挙がっている

トランプ米大統領は11月3日からのアジア歴訪前に発表する予定

■トランプ米大統領は、10月17日の記者会見で、11月3日からのアジア歴訪前に『次期FRB議長』を発表すると述べました。次期議長候補として名前が挙がっているのは、ジャネット・イエレン現FRB議長のほか、ジェロム・パウエル現FRB理事、ケビン・ウォーシュ・スタンフォード大学研究員(元FRB理事)、ジョン・テーラー・スタンフォード大学教授、ゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長の5名です。現地メディアの報道によれば、既にトランプ大統領は候補者との面談を開始したようです。

 

【ポイント2】現時点ではパウエル現FRB理事が議長に昇格する公算

リベラル色の強いイエレン現議長には共和党内に再任反対論

■超緩和的な金融政策の修正という難しい仕事を、手堅く進めてきたイエレン現議長の再任が、政策の継続性という点からも無難のように思われますが、同氏は民主党政権下で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めた経験を持つなどリベラル色が強いため、与党の共和党内に再任反対論があるといわれます(FRB首脳の人事には上院の承認が必要)。

■現時点では、前述した5名のうちパウエル氏とウォーシュ氏の優勢が伝えられています。双方とも有力な決定打には欠けるものの、ムニューシン財務長官が推しているのがパウエル氏であることを踏まえると、『次期FRB議長』の椅子に最も近いのはパウエル氏ではないかと考えられます。

 

 

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【今後の展開】パウエル氏ならイエレン路線を継承する見通し

■パウエル氏は、弁護士の出身で、FRB内では金融規制を担当しています。法律には通暁している反面、高度な経済・金融知識に欠ける点はマイナスといえますが、周囲に優秀なスタッフが揃っているため、この点はカバーされると考えられます。

■金融政策に関しては、イエレン現FRB議長の路線を踏襲すると見られます。一方、ウォール街出身のウォーシュ氏は低金利政策に批判的です。もっとも、仮にFRB議長になった場合、低金利政策支持のトランプ大統領に果たして抵抗できるか疑問です。

 

 

 

(2017年 10月 20日)

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