日銀の金融政策(2016年11月)据え置きを決定:当面現状維持の見込み

2016/11/01

日銀の金融政策(2016年11月)据え置きを決定:当面現状維持の見込み

【ポイント1】金融政策は現状維持

市場の予想通り

■日銀は11月1日、金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債金利をゼロ%程度に操作する金融調節を維持しました。また、長期国債を買い増すペースも年約80兆円目途に据え置きました。金融政策の現状維持は市場の予想通りでした。

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【ポイント2】物価目標達成時期を先送り

物価見通しを引き下げ

■日銀は、同時に、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表しました。GDP見通しに変更はありませんが、物価見通しが下方修正されました。16年度の物価上昇率は従来の0.1%から▲0.1%に、17年度は1.7%から1.5%に、18年度は1.9%から1.7%にそれぞれ引き下げられました。

■物価上昇目標(2%程度)の達成時期は「17年度中」から「18年度頃」に先送りされました。黒田総裁の任期中(18年4月まで)には目標達成ができない見通しとなりました。

 

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【今後の展開】当面現状維持が続く見通し

■日銀の金融政策据え置きを受けた金融市場の反応は極めて限定的です。ドル円レートは、104円台後半で小動き、10年国債利回りは▲0.045%付近でもみあい、日経平均株価は17,442円と、各市場とも前日終値近辺での落ち着いた動きとなっています(1日15時時点)。

■日銀は前回(9月)の会合で政策の枠組みを「量」から「金利」へ転換し、緩和期間を長期化するという「持久戦」へと舵を切りました。このため当面は金融政策を維持するものと見られます。金融政策決定会合に対する市場の注目度も、しばらく高まらない可能性があります。
(2016年11月 1日)

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