欧州金融機関の「信用リスク」(欧州)

2016/02/17

<今日のキーワード>欧州金融機関の「信用リスク」(欧州)

1月下旬以降、欧州金融機関の財務悪化懸念が強まり、欧州市場を中心に銀行株や銀行が発行した債券の価格が大幅に下落しました。また信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場でも、欧州銀行の債務不履行(デフォルト)に対する保証料率が急上昇しました。にわかに再燃した欧州金融システム不安は、世界の金融市場を動揺させる一因になっています。

【ポイント1】「信用リスク」への懸念が強まった背景

複数の悪材料が重なったことによるもの
■欧州金融機関の「信用リスク」に対する懸念が強まった背景には、年初から動揺が続く金融市場で、欧州金融機関の複数の悪材料が重なったことがあります。具体的には、新興国で積極的にビジネスを展開している英HSBCやスタンダード・チャータード銀行などに新興国の長引く景気低迷で業績不安が高まったことや、またドイツ銀行が15年決算で巨額の赤字を計上し、財務の安定性に疑念が生じたことなどです。

【ポイント2】大手銀のデフォルト懸念

市場は利払い能力を不安視
■市場で特に注目が集まったのは、過去にドイツ銀行が自己資本増強のために発行した偶発転換社債(CoCo=ココ債)です。この債券は自己資本が足りなくなると強制的に株式に転換する仕組みを持っており、投資家にはリスクが大きい反面、一般の債券よりも有利な利回りが期待できます。

■米格付け会社S&Pは2月11日、ドイツ銀行が発行する高リスク債券の格付けをシングルBプラスに1段階引き下げましたが、これも利払い不安を強める材料になりました。

160217MK

【今後の展開】今回の市場の懸念はやや行き過ぎていた可能性も

■ドイツ銀行は2月12日、経営体力があることを市場に示すため、自ら発行した6,000億円規模の債券買い戻しを発表しました。また米格付け会社ムーディーズは2月15日、ドイツ銀行は今年、来年とも高リスク債券の利払いが可能であるとの見方を示しました。

■その結果、ドイツ銀行を中心とする欧州金融機関の「信用リスク」に対する懸念が後退し、足元の欧州株式市場では銀行株が反発しています。今後の展開を見極める必要はありますが、欧州の金融市場は依然緩和的な状態にあり、今回の市場の懸念はやや行き過ぎていた可能性もあります。

(2016年2月17日)

印刷用PDFはこちら

今日のキーワード 欧州金融機関の「信用リスク」(欧州)

関連マーケットレポート

2016年 2月10日 ドイツは「難民」対策で財政拡大へ(欧州)

2016年 1月22日 ECBの金融政策と市場動向 3月の追加金融緩和を示唆

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ