メキシコ中銀が政策金利を引き上げ インフレを警戒、2年半ぶりに利上げ

2021/06/25

メキシコ中銀が政策金利を引き上げ

【ポイント1】2年半ぶりに利上げ実施

■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は6月24日に金融政策決定会合を開き、政策金利をこれまでの4.0%から4.25%に引き上げました。中銀による利上げは2018年12月以来、約2年半ぶりとなります。

■これまで中銀はコロナ禍で落ち込んだ景気への配慮から金融緩和を続けてきましたが、エネルギー価格の上昇を主因にインフレ水準が物価目標を大きく上回って推移していることに加えて、米国での力強い景気回復や金融政策の転換が早まりつつある状況に鑑み、今回利上げに踏み切った格好です。

【ポイント2】政策金利の見通しを上方修正   

■弊社では力強さを増す米国の景気回復を織り込み、メキシコのインフレと政策金利の見通しを上方修正しました。2021年通年のCPI予想を+4.0%から+4.5%に、2021年末の政策金利の予想を従来の4.0%から4.5%にそれぞれ引き上げました。

■メキシコのインフレ水準は、今後も暫くは中銀の許容する水準を上回って推移するものと見込まれます。更に、今後は景気の回復傾向が鮮明になる中、中銀は年内にも追加的な利上げに踏み切るものと予想しています。

【今後の展開】メキシコペソは堅調持続、ただし米国の金融緩和縮小には注意

■徐々に力強さを増す景気や輸出の好調による経常収支の黒字基調に加え、6月6日の中間選挙では政権与党が勝利するなど、政治・経済の安定が引き続きメキシコペソの追い風となりそうです。更に、今後中銀が追加的な利上げに踏み切る局面では、短期金利の上昇がメキシコペソの押し上げ要因となりそうです。

■ただし、米国の金融政策の動向には注意が必要です。最近の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではゼロ金利解除の時期を前倒しする方針が示されましたが、今後も市場参加者の金融政策見通しが大きく揺らぐ局面では、他の新興市場への売りが波及する形でメキシコペソも調整する可能性があります。

(2021年6月25日)

印刷用PDFはこちら↓

メキシコ中銀が政策金利を引き上げ

関連マーケットレポート

2021年5月14日 メキシコ中銀は政策金利を維持

2021年4月22日 メキシコペソは回復傾向が継続

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ