2020年の日本株式市場の振り返りと見通し 急落を乗り越え、1991年以来の2万6,000円台回復

2020/12/22

2020年の日本株式市場の振り返りと見通し

【ポイント1】新型コロナウイルスとの闘いが続く

世界各国・地域による積極的な金融・財政政策で相場は反発

■2020年の日本株式市場は、年初堅調にスタートしたものの、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な景気後退懸念から一転、急落しました。その後、米国をはじめ各国・地域による積極的な金融・財政政策が矢継ぎ早に発動されました。それがけん引役となって、日経平均株価は6月まで大きく値を戻しました。

【ポイント2】1991年以来の2万6,000円台を回復

米国を中心とする2極化の流れには相対的に追随できず

■日経平均株価は、6月~10月にかけ、狭いレンジでの推移となりました。11月に米大統領選挙を控えていたことに加え、欧米の感染者数の増加、グローバル経済・業績の悪化などが上値を重くしました。ただ、そうした状況下でも、米国株式市場はハイテク株主導で堅調に推移しました。日本株は景気に敏感な輸出関連株が多く、米国を中心とするハイテク株主導の2極化の流れには相対的に追随できませんでした。しかし、10月末以降、世界経済に回復の兆しが強まり、米国大統領選挙も民主党バイデン氏の勝利が強まったこと、また、新型コロナウイルス・ワクチンの実用性の可能性が高まったことなどが大きな転換点となりました。これらが世界経済の回復期待につながり、景気敏感株が多い日本株式市場は出遅れ感から大きく上昇することになりました。日経平均株価は、11月17日に終値ベースで1991年以来、約29年ぶりの2万6,000円台を回復しました。

【今後の展開】適温相場でもう一段の上昇に期待

■2021年の日本株式市場を取り巻く環境は総じて良好となる見通しです。主要国・地域の金融緩和政策は維持され、また、財政政策も適宜発動される見通しです。新型コロナに収束の目途は立っていませんが、ワクチン普及の実現性が増していることが支えとなり、経済活動の正常化は緩やかながら進むと想定されます。緩和的な金融環境と緩やかな経済回復が同時に進む環境(適温相場)は、景気敏感株が多い日本企業の業績にとって、追い風になると予想されます。2021年の日本株式市場はもう一段の上昇が期待できそうです。

(2020年12月22日)

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