中国株式は好調な経済活動を背景に、堅調推移 企業収益の改善から、更に上値を目指す展開

2020/10/29

中国株式は好調な経済活動を背景に、堅調推移

【ポイント1】中国株式は堅調推移

MSCI中国はコロナ前を大幅に上回る

■世界の株式市場では、新型コロナの感染拡大を受けて2月後半以降大幅に株価が下落しました。その後、各国・地域が積極的な金融・財政政策を打ち出したことなどから各市場は落ち着きを取り戻し、株価は新型コロナ前の水準に回復しつつあります。

■特に、中国は厳格なロックダウン(都市封鎖)の実施によって、いち早く新型コロナ感染拡大を収束に向かわせたこともあり、株価が堅調で、MSCI中国は新型コロナ前の水準を大きく超えて推移しています。

【ポイント2】好調な経済活動が背景

EPSも力強い改善を見せる

■2月に大幅に落ち込んだ製造業PMI(購買担当者指数)は急速に改善し、足元では51.5と、好不調の分かれ目の50ポイントを上回っています。出遅れていた消費も回復に向かっており、9月の小売売上高は前年同月比+3.3%です。また、今月13日に発表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しは、主要国では中国のみ2020年の成長率がプラスとされました。

■このような経済活動の回復を背景に、企業業績も改善傾向が見られます。MSCI中国の予想一株あたり利益(EPS)は6月1日を底に大幅に改善し、足元では2月高値からの減少幅の6割を戻しています。

【今後の展開】中国株式は世界経済の改善を待って、更に上値を目指す展開を想定

■中国経済は生産活動に加え、遅れていた消費・投資活動も回復に向かったことから、概ね新型コロナ前の状況を取り戻しつつあり、持ち直してきた企業業績も一層の改善が見込まれます。足元では、欧米を中心とした新型コロナの感染再拡大や米中摩擦の先鋭化が懸念されますが、今後は、堅調な国内需要に加え、世界経済の回復に伴う外需の持ち直しが予想されることから、中国株式は更なる上値を目指す展開を想定します。

(2020年10月29日)

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