電気自動車(『EV』)の実用化でも米中対立

2020/10/21

電気自動車(『EV』)の実用化でも米中対立

米中対立は今やメディアで取り上げられない日がないくらいに激化しています。このところ米国側のハイテク分野での対中強硬姿勢が目立っていますが、これは中国の技術開発の早さに対する米国の警戒心の表れだと考えられます。本稿では、中国の台頭が目立ってきている技術分野に焦点を当て、シリーズとして現在の米中の開発状況を確認してみます。2回目となる今回は、電気自動車(『EV』)です。

【ポイント】電気自動車(『EV』)はテスラが強いが、市場拡大は中国が先行

■電気自動車(『EV』)は、各国・地域における環境規制の強化や『EV』普及政策に加え、走行距離を向上させた本格的なモデル投入が進んだことから、ここ数年、急速に販売台数が増加しています。特に、中国は『EV』を中心とした自動車産業育成政策を実施しており、圧倒的な市場拡大が進んでいます。一方、『EV』の販売台数をメーカー別・モデル別でみると、トップは米国テスラ・Model3となっており、その性能・デザイン・価格が評価されています。

【今後の展開】中国『EV』はコア技術のブラッシュアップなどで更なる成長を目指す

■中国では、『EV』を中心とした新エネルギー車は「中国製造2025」の重点分野として掲げられており、中国工業情報化部によると、新エネルギー車の年間販売は、2025年に700万台を突破するとされています。しかし、2019年に新エネルギー車への補助金が縮小したことに加え、テスラは上海新工場を稼働させたことにより、2020年6月の同社の販売台数が中国『EV』市場の25%近くを占めるなど攻勢を強めており、拜騰(バイトン)、博郡汽車(Bordrin Motors)、江蘇賽麟汽車の3社が当面国内事業を停止するなどマーケットシェアの変動が続いています。中国『EV』にとって更なる成長に向けポイントとなるのは、コア技術のブラッシュアップ、部品供給網の整備・確立にどれだけ注力し、現行のポジションの伸長を図れるかにあると思われます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2020年10月21日)

印刷用PDFはこちら↓

電気自動車(『EV』)の実用化でも米中対立

関連マーケットレポート

2020年10月20日 米中対立、『5G』技術で先行する中国、追う米国

2020年8月27日 『米中対立』は大統領選をにらみ一段と激化

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ