業績が改善傾向を強めるアジア株式市場 予想株価収益率が上昇しているが割高感は少ない

2020/01/16

業績が改善傾向を強めるアジア株式市場

【ポイント1】アジア株式市場は堅調に推移

米中の貿易摩擦収束に一定の安心感

■アジアの株式市場は、19年末から20年年初にかけてやや上値が重くなりましたが、再び上値を追う展開となりました。昨年末から1月14日までの上昇率をみると、アジア株価指数が+3.4%でした。主な国・地域を見ると、中国が+4.6%、香港+4.5%、韓国+3.3%、インド+2.7%、台湾+2.4%でした。米中は「第1段階」の通商合意について15日に署名する予定で、貿易摩擦がいったん収束することによる安心感がアジア全体に広がったことが背景です。

【ポイント2】業績は改善傾向を強める

16年6月以降の好循環へ

■アジア株価指数の1株当たり予想利益は昨年8月末に底を付けて以降、順調に改善傾向を強めています。08年や16年も、業績が底を打って改善に向かう1、2年間は、株価が大きく反騰する傾向が確認されます。世界景気は緩やかながら回復に向かうと期待されており、アジア株式市場は堅調に推移する可能性が高まっています。

【今後の展開】予想株価収益率が上昇しているが割高感は少ない

■業績が改善方向にある中、株価が堅調に推移していることから、アジア株価指数の12カ月先予想株価収益率(PER)は13.9倍と2006年以降の平均値12.3倍を上回っていますが割高感は少ないと考えられます。PERの逆数である益回りは7.2%で、米国10年国債利回りとの差は▲5.4%です。平均値は同▲5.3%であり、金利差(*)からは割高感はありません。世界的な低金利に支えられ、また、業績改善が一段と進めば、アジア株式市場は堅調に推移すると考えられます。

(*)金利差は米国10年国債利回り-益回りで計算。マイナス幅が大きいほど割安と判断できます。

(2020年1月15日)

印刷用PDFはこちら↓

業績が改善傾向を強めるアジア株式市場 予想株価収益率が上昇しているが割高感は少ない

関連マーケットレポート

2020年1月10日 2020年のインド株式市場の見通し

2019年12月18日 上昇に拍車がかかるアジア株式市場

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ