グローバル景気の回復期待がけん引するアジア株式市場 11月の米中首脳会談後は景況感等がドライバーに

2019/10/17

グローバル景気の回復期待がけん引するアジア株式市場

【ポイント1】アジア株式市場は8月安値から7.3%の上昇

中国に加え、韓国、台湾が好調

■アジアの株式市場は8月中旬以降、次第に下値を切り上げています。MSCI AC アジア(除く日本)(図中ではアジアで表示)のパフォーマンスは8月の安値から10月16日までで+7.0%でした。代表的な構成国・地域を見ると、米中貿易摩擦の再燃を背景に上値が重くなった中国が8月安値から+7.3%の上昇でした。10月の米中閣僚級協議が進展するとの期待を織り込み反発しました。さらに注目されるのは、韓国と台湾です。同期間の上昇率は韓国が+10.6%、台湾が+10.5%でした。台湾は10月16日に年初来高値を更新し、年初からの上昇率は+23.0%です。

【ポイント2】「情報技術」がけん引

「一般消費財」も堅調さを維持

■セクター別に見ると、「情報技術」、「一般消費財」が堅調となりました。「情報技術」は年初来高値に近付いています。「情報技術」は米国を中心にグローバルでも堅調な推移が続いています。8月までのアジアの半導体売り上げは引き続き伸びは鈍いものの、グローバル景気の底入れが近いとの期待が強まりつつあることが背景と思われます。「一般消費財」も景気回復期待が株価を支えていると考えられます。

【今後の展開】グローバルやアジアの景況感に注目

■今後は、11月にチリで開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)サミット中に予定される米中首脳会談に注目する必要があります。11月に米中間で「第一段階の合意」に達しても、根本的な対立は残り、実施済みの追加関税が巻き戻される可能性は低いと考えられます。しかし、これまでの追加関税の景気への悪影響は10-12月期をピークに次第に低下すると予想されます。

■11月のサミットまで、市場の注目点は引き続き米中協議の行方と思われます。その後の注目点は、景気や業績、金融政策などに回帰すると思われます。グローバルやアジアの景況感に改善の兆しが確認されれば、アジア株式市場の回復基調が強まると期待されます。

(2019年10月17日)

印刷用PDFはこちら↓

グローバル景気の回復期待がけん引するアジア株式市場 11月の米中首脳会談後は景況感等がドライバーに

関連マーケットレポート

2019年10月16日 IMFの世界経済見通しは2019年が底 2020年に景気は持ち直しへ

2019年10月15日 米中協議は『部分合意』で10月の追加関税見送りへ

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ