アジア・オセアニアのリート市場(2019年7月)低金利環境がリート市場に追い風

2019/07/11

アジア・オセアニアのリート市場(2019年7月)低金利環境がリート市場に追い風

【ポイント1】年初来で2ケタ上昇 20190711as1

為替はマイナス寄与

■6月末時点のアジア・オセアニアのリート市場は、年初来でシンガポールが+21.3%、香港が+22.3%、オーストラリアが+19.9%と、3市場とも堅調に推移しています。

■一方、円ベースの騰落率で見ると、米国の早期利下げ期待を受けて米ドルが幅広い通貨で売られたことから対円で円高・ドル安となり、シンガポールは+19.9%、香港は+20.4%、オーストラリアは+17.4%と為替はマイナスに寄与しました。

【ポイント2】低金利環境が追い風 20190711as2

収益の安定性も支援材料

■米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)による利下げ期待の高まりを受けて世界的に長期金利が低下する中、相対的に利回りの高いリート市場には追い風となり資金が流入しました。配当利回りの長期金利との利回り格差は、オーストラリア、シンガポールで3%前後、香港では1.7%となっています。

■米中貿易摩擦による景気の下振れリスクが懸念される中、7、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが0.25%の利下げを実施すると予想され、当面、低金利環境が続くと見られます。

【今後の展開】高い配当利回りや成長期待から引き続き選好されよう

■シンガポールは、貿易摩擦の影響を受けやすいと見られるものの、増資などによる海外への投資を通じて収益機会を獲得するリートが増えるなど、成長が期待されます。また、国内でも大規模施設の開発が今後も続くと見込まれるなど、不動産市場の拡大によるリート市場の拡大が期待されます。香港は、主力銘柄の決算が良好だったことや、国内デモの影響が軽微であると考えられることから高い分配金成長による安定的な収益の継続が見込まれます。オーストラリアでは、豪州準備銀行(RBA)が6月に続き7月の会合でも政策金利を引き下げ、さらに、年内に追加利下げが実施される可能性もあることから、相対的に利回りの高いリート市場にとって良好な環境が続くと見られます。

(2019年7月11日)

印刷用PDFはこちら↓

アジア・オセアニアのリート市場(2019年7月)低金利環境がリート市場に追い風

関連マーケットレポート

2019年07月04日 リート市場の振り返り(2019年6月)

2019年06月28日 リートの『ディフェンシブ性』とは?

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ