日本株を取り巻く当面の材料を整理する

2017/04/21

市川レポート(No.383)日本株を取り巻く当面の材料を整理する

  • 為替はG20での主要議題ではなく、フランス大統領選挙では最終的にマクロン候補勝利を予想。
  • 来週は改めて地政学リスクに注意、米国では月末までに17年度暫定予算の期限が延長されよう。
  • 日本株は慎重な業績予想を織り込み、連休明けに短期反発後、上昇基調回復は7-9月期か。

為替はG20での主要議題ではなく、フランス大統領選挙では最終的にマクロン候補勝利を予想

今回は市場が注目する4月下旬から5月にかけての材料を整理します。まず4月20日、米ワシントンで20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開幕し、これに先立ち麻生財務相とムニューシン米財務長官の会談も行われました。米国の為替政策の方向性を確認する良い機会ではありますが、今回は為替が主要議題になるとの見方は少なく、円相場や日本株への影響は限定される可能性があります。

4月23日にはフランス大統領選挙の第1回投票が行われます。弊社ではマクロン候補とルペン候補が5月7日の決戦投票に進み、最終的にマクロン候補の勝利を予想しています。なおフランスでは欧州連合(EU)加盟を憲法で規定しており、加盟の是非を問う国民投票実施には憲法改正が必要で、その憲法改正にはまず国民議会(下院)と上院の承認が必要です。仮にルペン候補が大統領になっても、6月の下院選挙で国民戦線が大きな勢力を持つ可能性は極めて小さく、フランスのEU離脱は杞憂に終わると思われます。

来週は改めて地政学リスクに注意、米国では月末までに17年度暫定予算の期限が延長されよう

4月はまだ注目すべき材料が残ります。足元の円相場や日本株の動きをみる限り、朝鮮半島を巡る地政学リスクへの警戒感は残るものの、目先の悪材料をいったん織り込んだように思われます。ただ北朝鮮では4月25日に朝鮮人民軍創設85周年を迎え、米空母カール・ビンソンも来週中に朝鮮半島近海に到着する見通しです。そのため来週は、改めて地政学リスクが市場で意識されやすくなるとみています。

一方、米国では、4月24日に上院議会が、翌25日に下院議会が、それぞれ休会明けとなりますが、4月28日には17年度暫定予算の期限が到来します。そのため遅くとも4月30日までに議会が暫定予算の期限を延長するか、あるいは本予算として可決しないと、5月1日に米連邦政府の一部閉鎖が発生することになります。弊社は期限が延長されるとみていますが、市場では一部閉鎖のリスクを見込む向きもあります。

日本株は慎重な業績予想を織り込み、連休明けに短期反発後、上昇基調回復は7-9月期か

日本では今週から企業の2016年3月期決算発表が本格化します。注目は新年度の業績ガイダンスと想定為替レートですが、4月に入り地政学リスクを背景に円高が進行しているため、ガイダンスはやや控えめな内容が目立ち、想定為替レートも前回より円高方向への修正が増えることも見込まれます。ただこれらはある程度織り込み済みと思われ、5月の連休明け後、決算がピークを迎えるあたりで、あく抜け感からいったん株価の反発も予想されます。

日経平均株価は18,000円割れのリスクを抱えつつも、国内外の材料が無難に消化され、朝鮮半島での軍事衝突が回避される見通しとなれば、19,000円台への戻りを試す展開も期待されます。ただ5月には米国で18年度予算の議会審議が始まるため、税制改革を巡る思惑から、日本株は戻り売りに押されやすい時間帯が続くと思われます。日本株が上昇基調を強めるには、①トランプ政策の日本企業への影響が限定的と確認できること、②米国の底堅い成長と利上げ見通しを背景にドル円相場がドル高・円安方向で安定することが必要で、その時期は7-9月期にずれ込むことも想定されます。

 

 

170421図表1

 

(2017年4月21日)

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