日本の長期金利と円相場と日本株の方向性を整理する

2026/09/01

日本の長期金利と円相場と日本株の方向性を整理する

    • 10年国債利回りの年末着地3.0%、年内の上振れ3.3%と予想、財政不安払拭は政府次第。
    • ドル円の年末着地水準は1ドル=164円を予想、ドル高・円安の基調が続くとの見方は変わらず。
    • 日経平均は年末71,000円、TOPIXは4,300ポイントを予想、いずれも上昇基調は不変とみる。

10年国債利回りの年末着地3.0%、年内の上振れ3.3%と予想、財政不安払拭は政府次第

今回のレポートでは、日本の長期金利とドル円相場、そして日本株の基本的な方向性について整理します。まず、長期金利について、8月31日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年国債の利回りが上昇(価格は下落)し、一時2.95%と1996年9月以来およそ30年ぶりの高水準をつけました。この背景には主に、財政悪化に対する市場の強い懸念があると推測されます。

2027年度予算の概算要求の総額は、過去最大の143兆円前後に膨らんだ模様で、市場の財政不安と長期金利の上昇圧力は残る恐れがあります。最終的な予算規模や具体的な財源、国債発行額などに関し、市場の不安を払拭できるか否かは政府次第といえます。弊社は10年国債利回りの年末着地水準を3.0%、年内の最大上振れ水準を3.3%と予想しています。なお、財務省は概算要求における国債利払いの想定金利を3.8%程度とする見通しです。

ドル円の年末着地水準は1ドル=164円を予想、ドル高・円安の基調が続くとの見方は変わらず

次に、ドル円相場について、①ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が8月28日の講演で利上げに含みを持たせたこと、②米国とイランの対立と原油価格の高止まりが続くこと、③日本の財政悪化に対する市場の根強い懸念が残ること、これらはドル買い・円売り材料と思われます。このほか、貿易赤字などの日本の国際収支構造も、ドル買い・円売りの要因と考えられます。

一方、日銀の早期利上げ観測が浮上し、利上げが後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」への懸念が後退したことや、7月に日米両政府が円買いの協調介入を実施したことは、ドル高・円安の進行速度を一定程度、抑制する材料とみています。これらの点を踏まえ、弊社はドル円の年末着地水準を従来の1ドル=167円から8月20日に164円へ修正しましたが、ドル円相場のドル高・円安基調は続くとの見方を維持しています。

日経平均は年末71,000円、TOPIXは4,300ポイントを予想、いずれも上昇基調は不変とみる

最後に、日本株について、東証株価指数(TOPIX)を構成する3月期決算企業の2026年度第1四半期の業績は、順調な滑り出しとなり、市場の業績予想も明るい見通しとなっています。これらは日本株を支える要因となり得る一方、米国で金利先高観などを背景にハイテク株の不安定な動きが続いていることや、米・イランの対立継続、原油高などは、日本株を下押す材料と思われます。

半導体関連株は現在、年前半の急騰の速度調整期にあると思われ(図表1)、この影響を強く受けているのが、値がさの半導体関連株の動きに左右されやすい日経平均株価で、時価総額の大きい銀行株(長期金利上昇が追い風)や自動車株(円安が追い風)の動きに左右されやすいTOPIXは対照的に底堅く推移しています(図表2)。ただ、弊社は日経平均の年末着地水準を71,000円、TOPIXを4,300ポイントとし、共に上昇基調は不変とみています。

(2026年9月1日)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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