米利上げ停止、来年か再来年か

2018/09/28

▣ 予想どおり利上げ決定、政策金利見通しは2020年に利上げ停止

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月25、26日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、大方の予想どおりフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、2.00~2.25%とすることを決定しました。声明文から「金融政策スタンスは引き続き緩和的」という文言が削除されたことを受け、政策金利が景気を過熱も冷やしもしない中立金利に近づいているとの認識が広がりました。

あわせて公表した経済見通しでは、物価上昇率については6月の見通しからほぼ変わらなかったのに対し、2018年、2019年の経済成長率を引き上げました(図表1)。2018年から2021年までの成長率の見通しはそれぞれ3.1%、2.5%、2.0%、1.8%。パウエル議長は、米経済はとりわけ輝かしい局面にあるとの認識を示しました。

政策金利見通し(ドットチャート)は、2018年から2020年については変更ありませんでしたが、新しく加わった2021年は2020年と同水準で、2020年には一旦利上げが停止される見通しが示されました(図表2)。

▣ 中立金利到達後の政策金利

中立金利の目安になるFOMC参加者の政策金利の長期見通し(中央値)は、6月の2.875%から3.0%に引き上がりました。もっとも、6月は2.75%と3.0%の間の2.875%が中央値となった一方、今回は3.0%が1人増えた(新しく加わったクラリダ副議長の可能性)ことから中央値が3.0%になっただけで、2.75%~3.0%程度とみられる大まかな中立金利の水準は変わっていないとみられます。

今後については、今年12月での利上げはほぼ確実視されています。来年以降については、FOMC参加者の見通しでは2019年は3回、2020年は1回の利上げとなっており、政策金利が中立金利を上回っても、さらに1回か2回の利上げを見込んでいます。一方、市場は来年1回~2回の利上げしか織り込んでおらず、中立金利の水準に到達した段階で利上げ停止と、見方が分かれます(図表3)。

仮にFOMC参加者の見通しどおりに政策金利が推移した場合には、来年中に中立金利に到達した段階で、目先は利上げが継続するものの将来的な利下げも視野に入ります。したがって、長期金利は政策金利の上昇についていかず、長短金利が逆転する“逆イールドカーブ”が発生する可能性もありそうです(図表4)。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
しんきん投信「投資環境」   しんきんアセットマネジメント投信株式会社
内外の投資環境分析を基に、投資に資する情報、見通しなどを、タイムリーにお伝えします。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会

このページのトップへ