8月、9月は欧米の金融政策を注視

2017/07/28

▣ FRBはバランスシートの縮小を比較的早期に着手

米連邦準備制度理事会(FRB)は25、26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.00~1.25%に据え置きました。FRBは前回6月の会合で0.25%利上げしており、今回の決定は大方の予想どおりでした。

注目されたのはバランスシート(量的金融緩和で膨らんだ保有資産)の縮小開始時期。6月は「年内に着手する」としていましたが、今回の声明文では、「経済がおおむね予想通りに進展するならば、比較的早期にバランスシート正常化プログラムの実施に着手すると見込んでいる」と、9月にも縮小開始を決める可能性を示唆しました。

また、前年比でのインフレ率が2%を下回る水準で推移しているとの文章で、6月の声明にあった「やや2%を下回っている(somewhat below 2 percent.)」から「やや(somewhat)」の文言が削除され、最近のインフレ指標の軟化を反映した形になりました。

低インフレが続くとの見方から、利上げ観測が若干後退し、26日の米長期金利は前日の2.33%から2.29%まで低下(図表1)、ドル円も111円後半から111円前後に下落しました。

米株は大きく反応しませんでしたが、労働市場が力強さを増し、米経済は緩やかに成長する中、慎重に利上げを進めるとの見方は安心材料です。

▣ 8月はジャクソンホール、9月は欧米の金融政策会合

8月、9月は欧米の金融政策への注目が一段と高まりそうです。欧州中央銀行(ECB)の次の理事会は9月7日、米FOMCは9月19、20日。その前の8月24~26日には、米ワイオミング州ジャクソンホールで年次経済シンポジウムが開かれます。ECBのドラギ総裁が出席し、量的緩和の将来について講演すると報じられています。また、FRBが9月にもバランスシートの縮小に着手する可能性が高まる中、イエレンFRB議長も出席するとみられます。

FRBはバランスシート縮小について、時期などは未定ながらも、すでに規模など進め方についての概要を6月に公表にしています。したがって、バランスシート縮小開始の市場への影響は限定的となることが見込まれます。とはいえ、FRBのバランスシート縮小に加え、年明け以降のECBの量的緩和縮小開始が意識されると、内外の株価などを支えてきた一因である緩和マネー縮小への懸念が広がる可能性があります(図表2)。

他方、米利上げについては、FOMCは年内あと1回の利上げ見通しとなっているものの、市場は半々の織り込み。利上げ観測が強まると、米金利やドル円に若干ながらも上昇圧力がかかる可能性があります。ジャクソンホールなどでのイエレン議長の発言や米経済指標で、今後の米利上げのペースを探っていくことになります。

また、イエレン議長は来年2月に任期を迎えます。次の議長について、トランプ米大統領は年末までに決める方針のようです。前回は、2013年7月末からバーナンキ議長の後任選びが本格化しました。同年9月にイエレン氏と並ぶ有力候補だった元米財務長官のサマーズ氏が次期議長の候補を降りることを表明、10月にイエレン氏が議長に指名されました。今回は、イエレン議長が再任されるのか、新しい議長が指名されるのか、これから本格化するFRBの議長人事も注目されます。

※バランスシートの縮小については当初、米国債は月60億ドル、政府機関債と住宅ローン担保証券(MBS)は合わせて月40億ドルを上限に保有額を減らす。以降3か月ごとにそれぞれ上限を60億ドル、40億ドル引き上げ、1年後には、300億ドル、200億ドルまで増やす。

 図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

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