あらためて分散投資の検討も

2017/06/02

▣ 日経平均株価は2万円を回復

米株が軒並み過去最高値を更新するなど、投資家のリスク選好が強まる中、6月2日には日経平均株価は2015年12月以来1年半ぶりに2万円台を回復しました(図表1)。上場企業の2017年3月期の連結決算では円高の影響などで減収となったものの、10%台後半の増益を確保しました。また、今期は増収増益が見込まれ、投資家心理の改善とともに良好な企業業績への期待が株価を押し上げた格好です。16倍前後で推移していた予想株価収益率(PER)は、今期の収益増を織り込む形で14倍台まで低下しています。割安感も買い材料です。

企業の予想為替レートはドル円で109円程度。足元の110円をやや上回る水準で推移すると、堅調な企業業績が期待できます。日経平均株価の予想1株当たり利益(EPS)は1,400円程度まで増加しており、予想PERが平均的な目安の15倍程度まで上昇した場合には、21,000円が見えてきます(図表2)。

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▣ Jリートと国内株の組み合わせ

他方、Jリートは3.8%台と相対的に高い予想分配利回りは魅力ながら、リスクオンで投資家の資金が株式市場に流れやすいことや将来的な金利上昇への警戒などから、上値の重い動きが続いています。

もっとも、景気回復や米国の利上げなどの影響から国内金利に上昇圧力がかかったとしても、2%の物価目標達成が見通せない中、日銀が許容する金利上昇はわずかな幅にとどまるとみられます。相対的に高い利回りを確保しつつ、リスク選好の動きも取り込むならば、Jリートに国内株などを組み合わせることを検討してもよさそうです。

▣ リスクに備えるなら国内債を組み込んだ分散投資

株価堅調とはいえ、6月には英国の総選挙、フランスの下院選挙が予定されています。英国の総選挙で保守党が苦戦すると、欧州連合(EU)離脱交渉への懸念が強まる可能性があります。フランスの下院選挙では右派が勢力を伸ばすと、今秋に前倒しされるとの見方が出てきているイタリアの総選挙への警戒が広がることも想定されます。トランプ政権のロシア疑惑への警戒もくすぶります。投資家の不安心理を映す日経平均VI(ボラティリティ・インデックス)は、2日には一時2010年11月の算出開始以降で最低をつけました。安心感が広がっている証左ですが、楽観すぎるとの見方もできます。

リスク回避が強まる局面では、国内債に資金が逃避しますから、備えとしての国内債を組み合わせることも選択肢。先高観では国内株、割安感や利回りの高さからはJリート、安全性からは国内債。結局、特性が異なる国内株、Jリート、国内債などへの分散投資も検討できそうです(図表3)

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