来週の金融市場見通し(2019年2月11日~2019年2月15日)

2019/02/08

■来週の見通し

トランプ米大統領は一般教書演説で、メキシコの壁建設を改めて訴えました。建設費用を含まない暫定予算の期限は2月15日。合意できず、再び政府機関が閉鎖されると、米経済や投資家心理に悪影響を与える可能性があります。他方、米中首脳会談については、通商交渉の期限である3月1日までに開催される可能性は低いと報じられています。ひとまず、来週の閣僚級の米中貿易協議を確認したいところです。

◆株価 : 反発を予想

日本株は反発の動きが予想されます。米中の貿易摩擦をめぐる懸念などから、連休前に株価は大幅下落となったものの、3月1日の交渉期限までに少なくとも部分的な合意に至る可能性は依然として高いとみられます。11日から北京で開かれる閣僚級会議で前向きな進展が示されれば、株価反発が期待できそうです。ただ、14日発表の国内総生産(GDP)は低調な結果が見込まれるため、日本株の悪材料となる可能性があります。

◆長期金利 : マイナス圏での推移継続

長期金利はマイナス圏の狭いレンジでの動きが続いていたものの、週末は欧州委員会がユーロ圏の経済成長率予想を下方修正したことや、米中貿易問題の先行き不透明感などから投資家心理が悪化し、マイナス0.035%まで低下しました。低下し過ぎとの見方が広がる可能性がありますが、米国の暫定予算の期限を控え、上昇しにくい状況が続きそうです。日銀の国債買入れオペのオファー金額の変更の有無も確認したいところです。

◆為替 :  ドル安基調での推移か

米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利の今後の引上げに慎重な姿勢を見せています。年初からの米株の戻りは頭打ちとなっており、米長期金利は緩やかながら低下基調です。また、市場では混沌としてきた米中貿易協議の行方にやや懸念が高まっているうえ、欧州景気の減速懸念などもあり、リスク選好の動きは出にくい状況です。ドル円は緩やかながら108円を目指し低下基調で推移すると思われます。

◆Jリート :  押し目待ち

週初、東証REIT指数は2年1か月ぶりの水準まで上昇したものの、以降は利益確定売りに押される動きに。軟調な株価を受けた投資家心理の悪化も、Jリートを押し下げたとみられます。来週は、米国の暫定予算や米中貿易問題をめぐる思わくに振らされそうです。もっとも、長期金利が低位で推移する中、Jリートの予想分配金利回りは再び4%を若干上回ってきており、相対的に高い分配金利回りに着目した買いなどが下支えしそうです。

来週の注目点

GDP統計(18/10-12月期、1次速報) 

日本の実質国内総生産(GDP)は、7-9月期に前期比0.6%減(年率2.5%減)となりました。10-12月期は小幅なプラス成長が見込まれますが、勢いを欠く回復にとどまりそうです。

中国などアジア向けの輸出が停滞している一方で輸入は底堅いことから、GDPに対する純輸出(輸出-輸入)の寄与は、3期連続のマイナスとなりそうです。消費については、7-9月期に自然災害の影響もあり前期比マイナスとなった後、その影響が薄れることから10-12月期は一旦プラスへ回復する見込みです。

米消費者物価指数(1月) 2月13日(水)午後10時30分発表

米国の消費者物価指数(CPI)は、昨年12月に総合CPIで前年比1.9%上昇と前月より伸びが鈍化し、前月比では0.1%の低下となりました。また、食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比2.2%の上昇と前月と同じ伸びとなりました。 

総合CPIは昨年秋以降のエネルギー価格の下落が影響しています。12月の統計はインフレ率が米連邦準備制度理事会(FRB)の目標(2.0%)付近で抑制されていることを示唆しており、3月の利上げは見送られそうです。1月は総合CPIで前年比1.5%、コアCPIは同2.0%程度の上昇と更なる伸びの鈍化を想定しています。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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