来週の金融市場見通し(2019年2月4日~2019年2月8日)

2019/02/01

■来週の見通し

米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場の予想以上に金融引き締め(利上げ、バランスシートの縮小)に慎重なハト派的な内容で、金融引き締めへの警戒が大きく後退することになりました。米中貿易交渉については、2月に開催と報じられている米中首脳会談待ちとなりそうです。来週は5日にトランプ米大統領が一般教書演説を行う予定。インフラ投資などの景気刺激策が注目されます。中国市場は春節で休場。

◆株価 : 底堅い展開を予想

日本株は底堅い展開が予想されます。1月末の米中通商協議では、将来の合意へ向け前向きなトーンが示されました。また、米国の追加利上げ観測は大きく後退し、年内の利上げは1回以下との見方が増えています。さらに、米国の企業決算では市場予想を上回るものが目立ち、米国経済への過度な悲観は和らぎつつあります。ただ、ドル安・円高が日本株を圧迫すると考えられるため、日経平均株価は2万1千円近辺で上値が重くなりそうです。

◆長期金利 : マイナス金利の深掘りができるか

長期金利は、マイナス0.005~0.005%の狭いレンジでの動きが続きましたが、週末は、米FRBが利上げを停止するとの観測が広がり、マイナス0.025%と1月7日以来の水準まで低下しました。FRBは量的金融緩和時に積み上げた保有資産縮小の停止も検討しており、米金利が上昇しにくくなっていることから、国内の長期金利は低下余地を探る動きが強まる可能性があります。引き続き、日銀の国債買入れオペも確認していく必要があります。

◆為替 :  ドル安円高基調が徐々に鮮明に

米連邦準備制度理事会(FRB)は1月のFOMCの声明で政策金利の漸進的利上げの文言を削り、追加利上げに慎重姿勢を見せています。ここまで米株の戻り基調に合わせ、若干上昇していた米長期金利は2.8%を超えられず再度低下傾向です。それに加え、市場では中国の景気減速懸念や米中貿易摩擦問題が心理的な重しとなっており、リスクオンの動きは出にくい状況です。ドル円は108円をめざし低下基調で推移すると思われます。

◆Jリート :  上昇余地を探る

Jリートは堅調な動きが継続し、東証REIT指数は連日で昨年来高値を更新し、2017年1月ぶりの水準まで上昇しました。長期金利が低位で推移する中、分配金利回りの高さに着目した買いが続いている模様です。2月1日時点のJリートの予想分配金利回りは3.98%と4%をわずかに下回りましたが、長期金利はマイナス圏に低下しており、相対的には高い水準です。利益確定売りに押されながら、上昇余地を探ることになりそうです。

来週の注目点

景気ウォッチャー調査(1月) 2月8日(金)午後2時発表

景気ウォッチャー調査の現状判断DI(指数)は昨年12月に前月比3.0ポイント低下の48.0と、「良い・悪い」の境目とされる50を下回りました。家計、企業、雇用の3部門とも悪化し、先行きの景況感も低調でした。家計部門では消費税増税、企業部門では原材料価格の上昇、雇用部門では人手不足などが景気の悪化理由として挙げられています。今年に入り株価はやや持ち直しているものの、それ以外の情勢は特に変わっていないことから、1月についても現状判断DIは50を下回る見込みです。

米ISM非製造業景況指数(1月) 2月6日(水)午前0時00分発表

米供給管理協会(ISM)が発表した昨年12月の非製造業景況指数は58.0と前月から低下し、市場予想を下回るとともに昨年7月以来の低水準となりました。

同指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示しています。非製造業は依然として健全な水準であり、中でも輸出受注は拡大ペースが加速していることから、需要がなお底堅いことを示唆しています。しかし、今後は米中貿易摩擦問題の悪影響が次第に顕著になると想定され、1月の同指数はさらに若干低下すると思われます。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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