来週の金融市場見通し(2016年8月8日~2016年8月12日)

2016/08/05

■来週の見通し

日銀の金融政策決定会合(7月28-29日)では、次回会合(9月20-21日)において政策効果の「総括的な検証」を行う、と表明されました。その解釈をめぐって憶測が交錯しているものの、日銀が9月に金融緩和策の大幅縮小を決める可能性は低く、むしろ追加緩和に踏み切る可能性が意識されています。また、日銀は年間6兆円相当の上場投資信託(ETF)購入を行っており、これは株式需給面と投資家心理の両面から、株価の底割れを抑える効果がありそうです。こうした中で当面は、5日に発表される米国の雇用統計(7月分)を踏まえた上で、米経済の回復動向や利上げの時期が注目されます。

◆株価 : 日銀が相場を下支え

日銀の金融政策決定会合(7月28-29日)を受け円高が進行したことなどから、株価の上値が重くなっています。政府が2日に決定した経済対策も目新しさがなかったため、株高を促すには至りませんでした。来週は、国内では特段大きなイベントは予定されておらず、米国における利上げ観測などが相場の変動要因となるでしょう。いずれにせよ、日経平均株価が1万6,000円を大幅に下回る場面では、日銀による上場投資信託(ETF)購入などが相場を下支えしそうです。

株0805

◆長期金利 : 金利急上昇は一服

債券市場では、日銀による異次元緩和は限界に近いとの認識が一旦広がりました。これを背景に、10年国債利回りは2日、一時マイナス0.05%付近と、4月1日以来の水準まで急上昇しました。日銀による政策が不透明感を増しているため、引き続き債券市場の変動性が高まる場面が想定されます。とはいえ、近い将来、日銀のマイナス金利政策が撤回されるとは考えにくく、国債買入れ額が明確に縮小される可能性も低いでしょう。そのため、金利の急上昇は一服するものと見込まれます。

債0805

◆為替 : 一方的な円高は想定しにくい

米国の経済成長が鈍いことや、日本政府・日銀による為替介入は困難とみられることなどから、円高へ振れやすくなっています。しかし、米経済は年後半には持ち直すとみられ、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利上げを行う可能性は残っています。また、日銀は9月に金融緩和の効果などに関し、「総括的な検証」を行う予定です。相場の状況によっては、ここで追加緩和に踏み切る可能性も否定できません。これらより、ドル円が100円を大幅に割り込むとは想定しにくいでしょう。

円0805

来週の注目点

景気ウォッチャー調査(7月) 8月8日(月)午後2時発表

景気ウォッチャー調査の現状判断DI(「良くなっている」「悪くなっている」などの回答割合をもとに指数化したもの)は、6月に前月比1.8ポイント低下の41.2となりました。2~3か月先についての先行き判断DIも悪化しており、6月に前月比5.8ポイント低下の41.5となりました。

家計部門では、賃金や年金の伸び悩みなどが消費を圧迫しています。また、企業部門においては、円高による輸出への悪影響などが懸念されています。こうした状況が急速に変化するとは考えにくいことから、7月についても、総じて低調な景況感が示されるものと見込まれます。

辻0805

印刷用PDFはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
しんきん投信「来週の金融市場見通し」   しんきんアセットマネジメント投信株式会社
来週の金融市場の見通し、注目点を、コンパクトにまとめてお伝えします。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会

このページのトップへ