来週の金融市場見通し(2026年10月5日~2026年10月9日)
■来週の見通し
今週の日本株は、日銀短観が良好な結果だったことなどを受け、上昇しました。一方で、米国株は軟調な動きになりました。米国とイランの和平交渉が停滞する中で、原油価格の高止まりが意識され、米長期金利が高水準で推移したことが背景です。
来週は、米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数やミシガン大学消費者マインド指数などの米国の経済指標に加え、植田総裁の講演や臨時国会での消費税減税の議論などに注目です。
◆株価 :米経済指標に注目
今週の日本株は、上昇しました。日銀短観で大企業・製造業の景況感が改善したほか、米半導体大手マイクロンテクノロジーの好決算が追い風になり、アドバンテストなどの半導体企業を中心に買いが優勢でした。
来週は、米経済指標が相場を動かす材料となりそうです。2日に発表される米雇用統計を受けて、週明けの相場は荒い値動きとなる可能性があります。雇用者数の伸びが市場予想を上回るなど雇用統計が強い内容になると、米利上げ観測が強まり、株式市場の逆風となることが想定されます。5日の米ISM非製造業景況指数や中東情勢に関する報道も株価の変動要因となる可能性があります。これらのイベントを受けて、株価が調整する場面も想定されますが、企業業績は堅調であるため、下値は底堅いとみられます。
◆長期金利 :総裁講演や臨時国会に注目
今週の長期金利は概ね横ばい圏で推移しました。週の半ばにかけては、財務省の2年債入札が無難な結果だったことで市場に安心感が広がり、買いが優勢となる局面(債券価格は上昇、金利は低下)がありました。しかし、週後半には、米国とイランの和平交渉が停滞する中で、市場では原油価格の高止まりが意識され、米長期金利に上昇圧力がかかりました。その動きが日本にも波及し、国内金利も小幅に上昇しました。
来週は、植田総裁の講演や臨時国会に注目です。植田総裁が早期の利上げに前向きな姿勢を見せれば、金利も上昇する展開が想定されます。また、来週から始まる臨時国会では、飲食料品の消費税減税についても議論される見通しです。国会の議論を受けて財政懸念が強まれば、金利にも上昇圧力がかかると考えられます。
◆Jリート :下値の目途を探る
今週のJリート市場は、日米長期金利の上昇基調が継続する中、下落しました。米半導体関連企業の好決算を受けて大幅上昇したAI・半導体関連株へのJリートからの資金移動なども指数を押し下げた一因になったものと思われます。今週末の分配金利回りは5.603%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、日米長期金利や株式市場の動向、中東情勢をにらみつつ、下値の目途を探る展開を想定しています。今晩発表の米雇用統計やAI・半導体関連株の動向を注視する必要があります。米・イランの停戦協議に進展がみられれば長期金利が低下する可能性があります。分配金利回りが5%台半ばまで上昇していることから、分配金利回りに着目した買いによる下支えに期待したいところです。
◆為替:金融政策に関する思わくが変動要因に
今週のドル円は、小動きとなりました。週初は、財務省の三村財務官が為替について「日米首脳・財務相間の議論を踏まえしっかり対応する」と述べたと報じられたことから、ドル安・円高が進行しました。その後、10月1日に公表された9月の日銀会合の「主な意見」を受け、ややドル高・円安に戻しました。利上げ継続姿勢は示されたものの、連続利上げ観測を強める内容ではないと受け止められたためとみられます。
来週は、FRBの金融政策に対する思わくがドル円の変動要因となりそうです。9月のFOMC議事要旨で、FRBが早期の追加利上げに前向きな姿勢を示していたことが明らかになると、10月会合での利上げ観測が強まり、ドル高・円安が進行することが見込まれます。ISMなどの米経済指標発表も相場の変動要因となりそうです。
◆米国株 :金利動向に注目
今週の米国株は、ヘルスケアや消費関連株を中心に売りが優勢でした。米長期金利の高止まりや米国とイランの戦闘終結に向けた協議を巡る不透明感から原油価格が高止まりしたことが嫌気されました。
来週は、米長期金利の動向が相場を左右しそうです。FRBの追加利上げ観測の高まりから米長期金利は5%超の水準での推移が続いています。5日のISM非製造業景況指数や9日のミシガン大学消費者マインド指数を受けて、利上げ観測が強まると、長期金利が一段と上昇し、株価の下押し圧力になるとみられます。他方、最近の株価調整を受けて、株式市場には値ごろ感が出てきていることから、中東情勢をめぐって米国とイランの交渉が進展するなど好材料が出ると、株価は大きく上昇する可能性があります。
■来週の注目点
毎月勤労統計調査(8月)10月7日(水)発表
毎月勤労統計調査によると、7月の実質賃金は前年比+2.0%と、7か月連続で増加しました。春闘賃上げ率が高い水準で着地したことを背景に、労働者の基本給などの伸びが徐々に高まっており、名目賃金は同+4.3%と大幅に増加しています。
8月の実質賃金は、引き続きプラス圏で推移すると見込まれます。名目賃金の高い伸びが続く中、物価は政府のエネルギー支援策などにより抑制されていることが背景にあります。実質賃金の改善は、今後の個人消費の下支えとなることが期待されます。
米ミシガン大学消費者マインド指数(10月、速報値)10月9日(金)発表
米ミシガン大学が公表する消費者マインド指数によれば、9月の調査結果は48.1ポイントと、前月(51.7ポイント)から悪化しました。直近1年間を見ると、トランプ政権の関税政策や、米国とイランの紛争などによりインフレ圧力が高まる中、消費者マインドは低迷しています。
10月の消費者マインドは引き続き軟調な推移が予想されます。米国とイランの和平協議が停滞する中で、エネルギー価格は高止まりしており、消費者マインドを抑制する見込みです。消費者マインドの悪化は、個人消費の減少を通じて景気の下押し圧力になるほか、トランプ政権の支持率にも悪影響を与える可能性があります。
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