来週の金融市場見通し(2026年9月14日~2026年9月18日)
■来週の見通し
今週は、米国とイランの戦闘終結が11月の中間選挙後になるとの見方が広がり、原油価格が上昇しました。インフレが加速するとの観測が強まり、米金利が上昇したことなどを背景に、日米の株価も弱い動きとなりました。また、日本銀行の利上げペースが加速するとの見方が広がったことや、ベッセント米財務長官が円売りをけん制するような発言をしたこともあり、円高が進みました。
来週は、引き続き中東情勢の展開に加え、日米の金融政策会合に注目です。
◆株価 :金融政策会合に注目
今週の日本株は、下落しました。週初は、米半導体株が上昇した流れを引き継ぎ、国内でも関連銘柄の上昇が相場をけん引し、続伸して始まりました。その後は、中東地域での戦闘拡大で原油の供給混乱が増すとの警戒に加え、日銀の利上げペースが加速するとの見方から、金利上昇が景気や企業業績の下振れにつながるとの警戒が広がり、売りが優勢になりました。
来週は、米国については米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決まるとの見方がやや有力となっていますが、仮に据え置きとなった場合、株式市場は好感することが見込まれます。日銀金融政策決定会合では、利上げが決まることが織り込み済みで、相場への影響は限定的となりそうです。内閣改造に関する報道など、国内の政治動向も相場を動かす可能性があります。
◆長期金利 :居所を探る
今週の長期金利は、上昇しました。週初、前週末の強い米雇用統計を受けて、米国の早期利上げ観測が再燃し、国内長期金利にも上昇圧力がかかりました。その後は、円高進行を受け、インフレ圧力が和らぐとの見方から低下に転じました。週末にかけては、中東情勢の悪化を受けて、インフレの高止まりを警戒した債券売りが広がり、長期金利は一時3.0%まで上昇しました。
来週は、中東情勢や日米の金融政策などを確認しながら、居所を探ることになりそうです。日銀会合では追加利上げが見込まれますが、今後の利上げペースについての示唆があるかが注目されます。原油高を背景にインフレ懸念が強まる中、米連邦準備理事会(FRB)がFOMCで利上げに踏み切った場合には、国内金利にも上昇圧力がかかる可能性があります。
◆Jリート :下値の目途を探る
今週のJリート市場は、中東情勢の悪化に伴う原油価格の急騰などを受け、長期金利が再び上昇する中、下落しました。先日、ベッセント米財務長官が発表した米長期国債の買い戻し(バイバック)の初回購入額が市場予想を下回り、米長期金利が上昇したことも悪材料となりました。今週末の分配金利回りは5.346%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、中東情勢や日米長期金利の動向をにらみつつ、下値の目途を探る展開を想定しています。節目となる東証REIT指数(配当なし)1,750ポイントを明確に割り込むと下値不安が広がる可能性があり、注意が必要です。一方、分配金利回りが5%前半まで上昇していることから、分配金利回りに着目した買いによる下支えに期待したいところです。
◆為替:中東情勢や日米の金融政策にらみ
今週のドル円は、下落しました。日銀の利上げペース加速や利上げ幅拡大への思わくから円買い・ドル売りが優勢になりました。中東情勢の緊張状態が緩和に向かうとの見方もドル売りにつながりました。その後は、中東情勢が再び緊迫するなか、米原油先物相場が急騰したことを受けて、エネルギーの大半を輸入に頼る日本の貿易収支の悪化を懸念した円売り・ドル買いが優勢となり、ドル円は下げ幅を縮小する動きになりました。
来週は、中東情勢や日米の金融政策などを確認しながら、方向感を探ることになりそうです。日銀会合での追加利上げは織り込み済みですが、今後の利上げペースについて何らかの示唆があるかが注目されます。インフレ懸念が強まる中、FRBが利上げに踏み切った場合には、ドル円に上昇圧力がかかる可能性があります。
◆米国株 :FOMCに注目
今週の米国株は、半導体など人工知能(AI)関連の一角に買いが入ったものの、米国とイランの戦闘激化を受けて原油先物価格が上昇したことや、戦闘に終わりが見えず、リスク回避の動きが広がったことなどから、下落する動きになりました。米国とカナダの貿易対立も投資家心理の重しになりました。
来週は、FOMCが注目されます。利上げが決まるとの見方がやや有力となっていますが、仮に据え置きとなった場合、株式市場は好感することが見込まれます。他方、利上げが決まり、ウォーシュ議長が記者会見で追加の利上げの可能性を示唆した場合、株価の下げ幅が大きくなる恐れがあり、警戒が必要です。小売売上高などの経済指標の発表のほか、中東情勢も相場を動かす材料となりそうです。
■来週の注目点
全国・消費者物価指数(8月)9月18日(金)発表
7月の全国・消費者物価指数は総合指数が前年比+1.9%(6月同+1.6%)、値動きが激しい生鮮食品を除いたコア指数が同+1.8%(6月同+1.6%)と加速しました。原材料価格の高騰を背景とした家電や日用品などの値上げが要因です。
8月の消費者物価指数は横ばい圏で推移すると見込まれます。中東情勢の緊張により、原油価格などは高騰していますが、コメ価格の下落が続いているほか、政府の電気・ガス代補助の再開が物価の伸びを抑制すると見込まれます。
米小売売上高(8月)9月16日(水)発表
7月の米小売売上高は前月比-0.6%と9か月ぶりに減少しました。税還付の効果が一服し、自動車や家電、オンライン通販などの売上高が弱い動きになりました。エネルギー高などを背景にインフレ率が高まっている中、消費者の購買力が低下している可能性があります。
8月のジャクソンホール会議でFRBのウォーシュ議長は、インフレの抑制に積極的な姿勢を見せました。しかし、個人消費の減少が続き、経済に減速感がみられる場合、利上げは困難となる可能性があります。
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