来週の金融市場見通し(2026年9月7日~2026年9月11日)

2026/09/04

■来週の見通し

今週の日本の株式市場は軟調な動きとなりました。日本銀行の高田審議委員が2日の講演で利上げに積極的な姿勢を見せたことなどを背景に、金融市場では日銀の利上げペースの加速が意識され、日本株は売りが優勢となりました。また、ベッセント米財務長官が日銀の利上げを支持するような発言をしたこともあり、円高が進みました。

来週は日米の物価指標に加え、日本の内閣改造に関する報道にも注目です。

◆株価 :金融政策に注目

今週の日本株は、日銀の利上げペースが加速するとの見方や中東情勢の緊張が重しとなり、軟調な動きとなりました。

来週は、米国の金融政策をめぐる思わくが相場を動かす材料となりそうです。足元の金融市場では、再来週に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施されるか市場の見方が割れています。4日の米雇用統計が軟調な内容となり、米利上げ観測が後退すると、株価を押し上げることが期待されます。他方、雇用統計が強い内容となり、10日の米生産者物価指数(PPI)の伸びが市場予想を上回った場合、米利上げ観測が強まり、株価の下押し圧力となることが見込まれます。中東情勢のほか、今月中旬に予定されている内閣改造に関する報道も相場を動かす材料になる可能性があります。

◆長期金利 :軟調な展開か

今週半ばにかけての債券市場は、高市政権の2027年度予算の概算要求が過去最大となる143兆程度に膨らむ見通しであると報じられたことなどから、売りが優勢となりました。10年物国債利回りは1996年以来30年ぶりに一時3%を上回りました。週後半には、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退し、米金利とともに国内金利も低下しました。

来週は、軟調な展開が予想されます。中東では、米中央軍がイランへの空爆を開始し、両国の緊張は高まっています。攻撃が激化した場合、インフレ率の加速による利上げ観測が強まることで、国債の売りが進む可能性があります。中東情勢のほかには、9月10日に予定されている日銀の増審議委員の講演、11日に予定されている企業物価指数などの経済統計に注目されます。

◆Jリート :下値の目途を探る

今週のJリート市場は、ジャクソンホール会議におけるウォーシュFRB議長のタカ派的な講演や日銀の利上げ観測を背景に長期金利が一時3%を突破する中、週前半は小幅に下落しました。その後、米国の雇用関連指標が市場予想を下回り、米国の早期利上げ観測が後退したことから長期金利は低下したものの、軟調地合いが継続しました。今週末の分配金利回りは5.262%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。

来週は、長期金利の動向や中東情勢をにらみつつ、下値の目途を探る展開を想定しています。日銀の早期利上げ観測や財政悪化懸念から引き続き長期金利に上昇圧力がかかりやすい状況ですが、分配金利回りが5%を超えていることから、分配金利回りに着目した買いによる下支えに期待したいところです。

◆為替:緩やかに円安進行か

今週は、ベッセント米財務長官が国際会議の場で、植田日銀総裁に対して「日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることを強く支持する」と話したと報道されたことを受けて、日銀の利上げペースが加速するとの見方が強まり、円高が進行しました。また、髙田日銀審議委員が今後の金融政策運営について、「一定のペースにとらわれず機動的に利上げを行う新たな局面」と指摘したことも円高要因となりました。

今週の為替相場は、日銀の利上げ観測が強まったことに加えて、為替介入への警戒感など円高要因が重なったことで円高が急速に進行しました。来週は、追加的な円高材料がなければ、相対的に金利水準が低い円を売る動きにより円安が再び進行する可能性があります。10日の増審議委員の講演が相場の変動要因となりそうです。

◆米国株 :金融政策に注目

今週の米国株は、米金利上昇や中東情勢の緊張を受けて、売りが優勢となる場面もありましたが、底堅い展開となりました。半導体大手エヌビディアのほか、ヘルスケア関連株の上昇が指数の押し上げ要因となりました。3日に決算を発表したブロードコムは、5~7月期の売上高が前年比86%増加し、8~10月期の売上高が同93%増加するとの見通しを発表したものの、好決算は織り込み済みで決算後の同社の株価は下落しました。

来週は、金融政策をめぐる思わくが相場を動かす材料となりそうです。足元の金融市場では、再来週のFOMCで利上げが実施されるか市場の見方が割れています。10日のPPIや11日の消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を上回った場合、米利上げ観測が強まり、株価の下押し圧力となることが見込まれます。

■来週の注目点

企業物価指数(8月)9月11日(金)発表

7月の企業物価指数は前年比+7.2%(6月同+7.3%)と高い伸びが継続しました。中東紛争により、エネルギー価格や各種原材料が高騰しているためです。

8月の企業物価指数も引き続き高い伸びが見込まれます。米国とイランの軍事衝突が続く中、エネルギー価格が高水準で推移していることが背景です。企業物価はサプライチェーンの上流の物価を示しています。企業物価の高い伸びが続けば、徐々に消費者物価も高まり、日銀の利上げペース加速につながると考えられます。

米消費者物価指数(8月)9月11日(金)発表

7月の米国消費者物価指数(CPI)では、総合指数が前年比+3.4%、コア指数が同+2.5%と前月から小幅に鈍化しました。

8月のCPIは総合指数で前年比+3.4%と横ばいが予想されている一方、コア指数で同+2.4%と小幅な減速が見込まれています。

米国とイランの緊張が続く中、エネルギー価格は高水準で推移しています。8月のジャクソンホール会議でFRBのウォーシュ議長は、インフレの抑制に積極的な姿勢を見せました。物価上昇率が鈍化しなければ、FRBは利上げに転じる可能性もあります。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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