来週の金融市場見通し(2026年8月31日~2026年9月4日)
■来週の見通し
今週の日米の株式市場は、好調な企業業績などを背景に底堅い動きとなりました。中東情勢については、米国がこれまで退避させていた外交官を中東地域に戻す準備を始めていると報じられ、警戒感が薄れる局面もありました。しかしその後は、中東の緊張が長期化するとの見方が強まり、原油価格は反発しました。
来週の週明けはジャクソンホール会合でのウォーシュ議長の講演を受け、値動きの大きい展開になる可能性があります。また、米国の雇用統計などの経済指標にも注目されます。
◆株価 :荒い値動きか
今週の日本株は、底堅い動きとなりました。企業業績の改善や事業法人による自社株買いとみられる資金流入が高水準で続いていることが、株価の下支え要因となりました。
来週は、荒い値動きが予想されます。週初は、28日に予定されているウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて、株価の変動が激しくなることが予想されます。米国の雇用や景況感に関する経済指標も相場を動かす材料となりそうです。中東情勢については、ホルムズ海峡の封鎖が続き、膠着状態に陥っていますが、交渉進展の動きがみられると、株式市場は好感することが予想されます。半導体株は、9月3日に予定されている米ブロードコムの決算発表が市場予想を大きく上回る内容になると、物色する動きが強まる展開が想定されます。
◆長期金利 :低下しにくい
今週の長期金利は、米国とイランの交渉進展が見通せず、市場では原油輸送の要であるホルムズ海峡の封鎖が長引くとの見方がくすぶり、原油価格の高止まりを通じたインフレ圧力の高まりが意識されたことから、上昇する動きになりました。また、氷見野日銀副総裁が会見で早期利上げの可能性を残したと受け止められたことも、長期金利を押し上げました。
来週は、政府の2027年度予算をめぐる各省庁の概算要求総額が「初めて130兆円を超える見通しとなった」ことが分かったと伝わり、拡張的な財政政策が改めて意識されていることに加え、中東の緊張状態が当面続くとして、原油高を通じた国内のインフレ圧力の高まりなどから、国内金利は低下しにくい状況が続きそうです。10年国債、30年国債入札も確認したいところです。
◆Jリート :方向感を探る
今週のJリート市場は、週末にジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長講演を控え、市場では様子見姿勢が広がる中、小幅に下落しました。週後半にかけて東証REIT指数(配当なし)1,800ポイントを下値に底堅く推移したものの、週末には権利落ち日の影響もあり下落しました。今週末の分配金利回りは5.204%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利や株式市場の動向をにらみつつ、方向感を探る展開を想定しています。ウォーシュFRB議長の講演を受け、週明けは値動きの大きい展開になる可能性があります。日銀の早期利上げ観測や財政悪化懸念から長期金利に上昇圧力がかかりやすい状況ですが、分配金利回りが5%を超えていることから、分配金利回りに着目した買いによる下支えに期待したいところです。
◆為替:底堅い
今週のドル円は、中東情勢の先行き懸念から基軸通貨とされるドルに有事の買いが入ったことから上昇しました。7月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが市場予想を上回り、米インフレが落ち着きをみせなければ、FRBが利上げするとの観測が強まったことも、ドル円を支えました。
来週は、28日にウォーシュFRB議長がジャクソンホール会議で利上げ継続など何らかの金融政策の方針を示唆した場合には、ドル円に上昇圧力がかかる可能性があります。また、レビット米大統領報道官が米国がイランと戦闘終結に向けた協議をしていないと述べたことなどを受けて、中東の緊張状態が当面続くとの見方もドル円を支えそうです。ただ、為替介入への警戒は、ドル円の上値を抑えそうです。
◆米国株 :経済指標、企業決算に注目
今週の米国株は、好調な決算を発表した半導体大手エヌビディアやソフトウエア関連のセールスフォースの株価が大きく上昇したことが指数を押し上げ、堅調な動きとなりました。エヌビディアは、四半期決算の実績が市場予想を上回ったほか、28年1月期の売上高が27年1月予想比で70%の大幅増となるとの見通しを示したことが好感されました。1年以上先の見通しが示されること自体が予想外であったことに加えて、大幅な増収率が示されたことから、市場ではポジティブサプライズととらえられ、27日の同社の株価は約9%上昇しました。
来週は、雇用や景況感に関する経済指標も相場を動かす材料となりそうです。半導体株は、9月3日に予定されているブロードコムの決算発表が市場予想を大きく上回る内容になると、上昇しそうです。
■来週の注目点
法人企業統計調査(26/4-6月期)9月1日(火)発表
2026年1-3月期の経常利益は、製造業が13.4兆円と前期(12.0兆円)から増加した一方、非製造業は19.9兆円と前期(19.9兆円)からほぼ横ばいで推移しました。製造業ではAIブームを背景とした電子部品等の輸出増が収益を押し上げたと考えられます。非製造業は、卸売・小売業や運輸・郵便業などの業績は堅調だったものの、電気業が下押し要因になりました。
4-6月期は、引き続きAIブームが製造業の企業収益を押し上げたとみられる一方で、中東紛争によるエネルギー価格の高騰が重しとなったと考えられます。
米雇用統計(8月)9月4日(金)発表
7月の雇用統計では、失業率が4.1%と前月(4.2%)から改善した一方、非農業部門雇用者数が前月差-2.3万人と5か月ぶりに減少し、事前予想(Bloomberg:同+8.0万人)を大幅に下回りました。
8月の非農業部門雇用者数は同+5.5万人、失業率は4.1%が見込まれています。仮に、雇用統計が今回も市場予想を下回る弱い結果になった場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が後退し、米長期金利の低下や円高が進行する可能性があります。
図表、スケジュール入りのレポートはこちら
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人資産運用業協会

