来週の金融市場見通し(2026年8月24日~2026年8月28日)
■来週の見通し
今週は、米国とイランの停戦交渉が膠着する中、原油価格は上昇傾向で推移しました。インフレ懸念の高まりなどを背景に日米の長期金利が上昇し、株価の下落要因となりました。米財務省が米国債の買い入れを増額すると発表し、米金利が低下する場面もありましたが、週後半にかけて再び上昇に転じました。
来週は、中東情勢に加え、日本の消費者物価指数(CPI)や米国の個人所得・個人消費支出(PCE)などの経済統計に注目です。
◆株価 :中東情勢に注目
今週の日本株は、内外の金利上昇が重しとなり、下落しました。また、米オープンAIの赤字が直近の決算で拡大したとの報道を受けて、同社に出資するソフトバンクグループの株価が下落したことも指数を押し下げました。
来週は、中東情勢が注目されます。トランプ政権は、24日にイランに対する新たな経済制裁を発表する見込みです。経済制裁の発表をきっかけに原油価格が一段と上昇すると株価の押し下げ要因となることが予想されます。他方、土壇場で経済制裁が見送りとなり、一転和平に向けた動きが進展すると、株式市場は好感することが見込まれます。また、27日に予定されている半導体大手エヌビディアの決算発表も注目されます。国内の半導体株は、値ごろ感も出てきていることから、同社が好決算を発表すると、上昇することが期待できます。
◆長期金利 :低下しにくい
今週の長期金利は、日銀が早ければ9月の会合で政策金利を1.25%に引き上げると伝わったことや、中東情勢を受けた原油高により、週前半は上昇する動きになりました。ただ、米財務省による長期や超長期債の買い入れ消却(バイバック)の増額計画を受けて、米金利が大幅に低下したことから、国内金利も一旦低下しました。週末はインフレ懸念から、再び上昇に転じました。
来週も国内金利は下がりにくい状況が続きそうです。日銀の早期利上げ観測に加え、利上げペースの加速も視野に入れていると伝わったことは、長期金利の低下を抑制しそうです。米国とイランの対立が深まるとの警戒から原油先物価格が高水準で推移していることや、有事のドル買いなどで円安が進み、インフレ圧力が高まるとの警戒感も国内金利の押上げ材料になりそうです。
◆Jリート :方向感を探る
今週のJリート市場は、引き続き機関投資家の夏季休暇シーズンで市場の出来高が細る中、小幅に下落しました。ベッセント米財務長官が米国債のバイバックの増額を発表し、日米の長期金利が低下したことから値を戻す場面があったものの、週末には再び長期金利が上昇したことが重しとなり下落しました。今週末の分配金利回りは5.104%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利や株式市場の動向、米・イランの和平協議をにらみつつ、方向感を探る展開を想定しています。日銀の早期利上げ観測や財政悪化懸念から長期金利に上昇圧力がかかりやすい状況ですが、分配金利回りが5%を超えていることから、分配金利回りに着目した買いによる下支えに期待したいところです。
◆為替:底堅い
今週のドル円は、7月の米小売売上高が市場予想に反して減少したことを受けて、米個人消費の失速が意識され、早期の米利上げ観測がやや後退したことなどから、ドル売り・円買いが優勢になりました。ただ、米国とイランの対立によるエネルギー輸送の停滞が長引くとの警戒から、原油先物価格が上昇したことを受けて、下落幅を縮小しました。
来週は、底堅い動きが続きそうです。米国とイランの対立が深まるとの警戒から原油先物価格が高水準で推移していることや、有事のドル買いなどはドル円の押上げ材料です。一方、日銀が早ければ9月の会合で利上げに踏み切るとの見方に加え、利上げペースの加速も視野に入れていると伝わったことから、ドル円の一段の上昇は限定的になりそうです。
◆米国株 :中東情勢に注目
今週の米国株は、金利上昇が重しとなり下落しました。トランプ大統領がイランに対する新たな経済制裁を発表すると表明したことも嫌気されました。
来週は、中東情勢が注目されます。トランプ政権は、24日にイランに対する新たな経済制裁を発表する見込みです。経済制裁の発表をきっかけに原油価格が一段と上昇すると株価の押し下げ要因となることが予想されます。他方、土壇場で経済制裁が見送りとなり、一転和平に向けた動きが進展すると、株式市場は好感することが見込まれます。また、PCE統計や消費者信頼感指数などの経済指標も相場を動かす材料となりそうです。半導体株は、27日に予定されている半導体大手エヌビディアの決算発表が好調な内容になると、上昇することが期待できます。
■来週の注目点
東京都区部・消費者物価指数(8月)8月28日(金)発表
7月の東京都区部・消費者物価指数は総合指数が前年比+1.8%、コア指数が同+1.7%と前月から加速しました。政府の電気・ガス料金支援が終了したこと、洗剤などの消耗品が値上げされたことなどが背景です。
8月の消費者物価指数は、横ばい圏で推移するとみられます。引き続き財は値上げされたと想定されますが、政府の電気・ガス代支援が再開することに加え、コメ価格の下落などが物価の伸びを抑制するとみられます。
米個人所得・個人消費支出(7月)8月26日(水)発表
6月の実質可処分所得は前月比+0.3%、実質個人消費は同+0.4%といずれも増加しました。米国の家計所得や消費は減税による税還付や株高などを受け、底堅い動きを維持しています。
7月の実質可処分所得や実質個人消費も底堅い動きを見込んでいます。エネルギー価格を中心に物価が鈍化しているため、家計の購買力を押し上げたとみられます。
ただし先行きは、税還付の効果が徐々にはく落していくと想定される中で、家計所得の押し上げ材料は乏しく、個人消費も減速するリスクがあります。
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