来週の金融市場見通し(2026年8月10日~2026年8月14日)
■来週の見通し
今週は、米国・イランがホルムズ海峡の暫定的な開放で合意する可能性が報じられ、原油価格が下落しました。これに伴い、市場のインフレ懸念や利上げ観測が後退し、日米の長期金利も低下しました。しかし、週後半にかけても戦闘が継続しているほか、イラン側は米・イスラエル船舶のホルムズ海峡への進入禁止を要求していると報じられるなど、先行きの不透明感は強いままです。
来週は、中東情勢の展開に加え、日米の物価関連指標に注目です。
◆株価 :中東情勢に注目
今週の日本株は、一進一退の動きとなりました。為替介入による急速な円高進行を受けて、売りが優勢となる場面もありましたが、エネルギー供給が正常化に向かうとの期待感から買いが優勢となる場面もありました。半導体株は、値ごろ感から買いが優勢となる場面もありましたが、米半導体メモリ企業の株価が急落したことをきっかけに、週末にかけては軟調な動きとなりました。
来週は、中東情勢が相場を動かす材料となりそうです。米国とイランがホルムズ海峡の開放で合意すると、株価は大きく上昇する可能性があります。今週決算を発表した任天堂はゲームソフトの販売好調を背景に、市場予想を上回る好決算となりました。ゲーム関連株は年初から上値の重い動きが続いていましたが、決算をきっかけに物色する動きが強まる可能性があります。
◆長期金利 :居所を探る
今週の長期金利は、日米両政府が協調して為替介入を実施したことを受け、円安是正に向けて日銀の利上げ観測が強まったことに加え、10年国債の入札が低調な結果と受け止められたことから、週前半は上昇する動きになりました。その後は中東情勢の緊張緩和期待からインフレ懸念が和らいだことなどから、上昇幅を縮小しました。
来週は、中東情勢などを睨みながら居所を探ることになりそうです。イラン議会の委員会が審議している草案では米国とイスラエルの船舶によるホルムズ海峡の通航を禁じ、他の敵対国の船舶は補償を支払わなければ通過を許可しない方針と伝えられており、原油高、インフレへの警戒が高まると、長期金利を押し上げる可能性があります。日銀の利上げ観測や高市政権の財政拡張への懸念も金利の押上げ材料となりそうです。
◆Jリート :方向感を探る
今週のJリート市場は、週前半は長期金利が上昇する中、下落しました。その後、ホルムズ海峡の再開に向けた米・イランの和平合意への期待感や長期金利が低下したことから、一旦下げ止まったものの、週末には和平合意の不透明感が高まり再び下落しました。今週末の分配金利回りは5.092%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利や株式市場の動向、米・イランの和平協議をにらみつつ、方向感を探る展開を想定しています。イランが米国船舶のホルムズ海峡の通航禁止を要求するなど、条件の相違から和平合意への期待が後退しています。財政悪化懸念から長期金利に上昇圧力がかかりやすい状況ですが、下値を拾う買いも期待されることから、下値も限定的になると見込んでいます。
◆為替:神経質な動き
今週のドル円は、日米両政府が協調して円買いの為替介入を実施したことを受けて、一時155円台前半と5月上旬以来の円高・ドル安水準をつけました。ただ、その後は日本の財政運営をめぐる不透明感や日米の金利差が大きく開いていることに着目した円売り・ドル買いが優勢となりました。週末は米労働市場の底堅さなどを背景に米金利の先高観が再燃し、ドル買いが進みました。
来週は、イランの国会議員が作成した草案が、米国とイスラエルの船舶はホルムズ海峡の航行を禁止する内容になっていると報じられており、原油高、インフレへの警戒が高まると、ドル円を押し上げる可能性があります。もっとも、日銀による早期利上げ観測が浮上していることや、円買いの為替介入への警戒感がドル円の上値を抑えそうです。
◆米国株 :中東情勢に注目
今週の米国株は、上昇しました。週の前半は、エネルギー供給が正常化に向かうとの期待感から買いが優勢となりました。ただ、6日の米国市場では、米国とイランがホルムズ海峡の開放で合意に至らなかったことが嫌気され、売りが優勢となりました。先週好決算を発表したマイクロソフトの株価が大きく上昇し、指数を押し上げました。
来週は、中東情勢が相場を動かす材料となりそうです。米国とイランがホルムズ海峡の開放で合意すると、株価は大きく上昇する可能性があります。また、12日に発表予定の消費者物価指数(CPI)も注目です。CPIでインフレの伸びが予想以上に加速すると、米利上げ観測が強まり、株価の下押し圧力となる恐れがあります。
■来週の注目点
企業物価指数(7月)8月13日(木)発表
6月の企業物価指数は、前年比+7.1%と前月から加速しました。中東紛争を受けて石油や化学関連製品の輸入価格が高騰していることが背景です。
7月の企業物価指数も加速が見込まれます。7月以降、米国とイランの軍事衝突が再開し、原油価格は高水準で推移しています。エネルギー分野の物価が一層高まると考えられます。
また、企業物価指数は流通段階の川上の物価を示すため、今後、徐々に川下である消費者に価格転嫁されていくことが想定されます。
米消費者物価指数(7月)8月12日(水)発表
6月の消費者物価指数(CPI)では、総合指数が前年比+3.5%、コア指数が同+2.6%と前月から減速しました。6月には米国とイランの間で停戦合意が結ばれ、緊張緩和を背景に原油価格が下落していたためです。
7月のCPIは総合指数が前年比+3.5%、コア指数が同+2.5%と高止まりが予想されています。中東情勢の緊張感が再び高まっているなか、物価は下がりにくい状況が続く見込みです。また、これまでのエネルギー価格の上昇が、非エネルギー分野の物価を押し上げる可能性があります。
図表、スケジュール入りのレポートはこちら
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人資産運用業協会

