来週の金融市場見通し(2026年7月20日~2026年7月24日)
■来週の見通し
今週の株式市場は、半導体大手企業の決算などを受け、日本株は下落、米国株は一進一退の動きとなりました。また、中東ではイランと米国の間で攻撃の応酬が続いており、対立が激化しています。イランが紅海の封鎖を示唆しているといったような報道もあり、先行き不透明感が強い状況です。
来週は欧州中央銀行(ECB)の理事会が開催されます。会合後の記者会見で、ラガルド総裁がインフレの現状・先行きをどのように評価しているか注目です。
◆株価 :半導体関連に注目
今週の日本株は、下落しました。台湾の半導体大手TSMCが16日に決算を発表した後、キオクシアホールディングスや東京エレクトロンなど半導体株が大きく下落したことが、日経平均株価を押し下げました。同社の決算は市場予想を上回りましたが、好業績は織り込み済みとの見方から、利益確定売りが広がりました。
来週も、半導体関連株の動向が株式市場を左右しそうです。今週決算を発表した海外の半導体企業の業績は堅調でしたが、半導体株は下落しました。半導体株をめぐる投資家心理が悪化しているとみられます。半導体関連株はAI需要拡大を背景に利益は伸びることが見込まれるほか、最近の株価調整を受けて、値ごろ感も出てきているため、反発する可能性もあります。半導体株が上昇すると、指数も上昇に転じることが予想されます。
◆長期金利 :居所を探る
今週の長期金利は、米国とイランの対立が再び激化したことを受け、国内インフレ圧力が高まるとの警戒から上昇して始まりました。その後、片山財務相が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内投資強化の可能性に改めて言及したのを材料に、国内債に買いが入るとともに、20年国債入札が好調な結果だったことを受けて、低下に転じました。ただ、高市政権の拡張的な財政政策への警戒などから、低下幅を縮小しました。
来週は、GPIFなど年金基金が国内資産投資を強化するとの思わくのほか、早期の米利上げ観測が後退していることは国内金利の押し下げ材料となりそうです。一方、原油価格の高止まりを受けたインフレ懸念が金利低下を抑制することも想定されます。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」も確認したいところです。
◆Jリート :戻りを試す展開か
今週のJリート市場は、週前半は底堅く上昇しました。その後、節目となる東証REIIT指数(配当なし)1,850ポイント付近では戻り売りが出て下落したものの、週末には日経平均株価が大きく下落する中で上昇しました。今週末の分配金利回りは4.985%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利や株式市場の動向、米国によるイランへの軍事攻撃の状況をにらみつつ、戻りを試す展開を想定しています。米・イランの和平協議はまだ再開が見通せない状況ですが、片山財務大臣などの政府関係者が相次いでGPIFの資産配分変更の可能性について言及し、長期金利が低下していることはJリート市場を下支えしそうです。また、割安感に着目した買いにも期待したいところです。
◆為替:やや神経質な動きか
今週のドル円は、米国とイランの対立が再び激化し、ドルに対する有事の買いに加え、原油先物相場が上昇する中、日本の貿易収支悪化への思わくから、上昇して始まりました。ただ、6月の米消費者物価指数(CPI、前年比)が市場予想を下回り、早期の米利上げ観測が後退したことを受けて、ドル売り・円買いが優勢になりました。その後は、堅調な米経済指標を受けて、上昇する動きになりました。
来週は、中東情勢に加え、GPIFによる国内投資強化策をめぐる思わくなどに振らされる動きが続く可能性があります。中東情勢が一段と緊迫化すると、ドル円が押し上げられることも想定されます。もっとも、米国の早期利上げ観測が後退していることや、為替介入への警戒はドル円の上値を抑えそうです。
◆米国株 :中東情勢に注目
今週の米国株は、一進一退の動きでした。中東情勢の悪化を受けて、売りが優勢となる場面もありましたが、好調な決算を発表した大手金融機関の株価上昇が指数を押し上げました。半導体株は、台湾の半導体大手TSMCが16日に決算を発表した後、マイクロンテクノロジーなどが大きく下落しました。同社の決算は市場予想を上回りましたが、好業績は織り込み済みとの見方から、利益確定売りが広がりました。
来週は、中東情勢が注目されます。中東情勢悪化を受けて、エネルギー供給の正常化は見通しづらいとの見方が強まり、原油価格が高止まりしています。ホルムズ海峡と並ぶエネルギー供給の要衝である紅海も封鎖された場合、原油価格が一段と上昇し、株価の下押し圧力となる恐れがあります。
■来週の注目点
全国・消費者物価指数(6月)7月24日(金)発表
5月の全国・消費者物価指数は総合指数が前年比+1.5%、コア指数が同+1.4%とほぼ横ばいで推移しました。コメ価格の下落などが下押し要因となった一方、電気・ガス料金支援終了でエネルギー分野の物価下落幅が縮小しました。
6月の消費者物価指数は、横ばい圏で推移するとみられます。政府のガソリン補助金や暫定税率の廃止、コメ価格の下落などが物価の伸びを抑制するとみられます。
ただし、足元で再び中東の緊張感が高まる中、先行きの物価が加速するリスクには注意が必要です。
ユーロ圏消費者信頼感指数(7月)7月23日(木)発表
6月のユーロ圏消費者信頼感指数は-17.7ポイントと、前月(同-19ポイント)からマイナス幅が縮小しました。6月は中東情勢の緊張感が和らいでいたことが背景とみられます。
7月のユーロ圏消費者信頼感指数は悪化が見込まれます。米イランの間で戦闘が再開し、再び中東の緊張感が高まっています。原油価格も上昇に転じており、消費者のマインドも悪化していると考えられます。
ユーロ圏経済は力強さに欠ける動きが続いています。個人消費が減速することになれば、経済を一層下押しするリスクがあります。
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