来週の金融市場見通し(2026年7月13日~2026年7月17日)

2026/07/10

■来週の見通し

今週は中東情勢に注目が集まりました。7日にはイランがホルムズ海峡を通過中の商船に攻撃し、米中央軍がイランに反撃しました。その後、トランプ大統領が「(停戦は)終わったと思う」などと発言し、市場の緊張感が高まり、原油価格は上昇、株価は下落しました。ただし、8日には米中央軍が追加攻撃を完了したと発表したため、軍事衝突が限定的になるとの見方から、市場には安心感が広がりました。

来週は、引き続き中東情勢の展開に加え、米国の物価指標に注目です。

◆株価 :半導体関連に注目

今週の日本株は、一進一退の動きとなりました。中東情勢の緊迫化を受けて一時売りが優勢となる場面がありましたが、米中央軍が追加攻撃を完了したと発表したことが好感され、週末は買いが優勢となりました。

今週は、米主要ハイテク企業メタが、AIを動かすための計算資源(データセンターや半導体など)を外部に貸し出すと報じられことをきっかけに半導体需要の伸びが鈍化するとの懸念が強まり、半導体株は一時調整しました。ただ、メタのザッカバーグ氏が計算資源は不足していると強調したことなどを受けて、懸念は和らぎ、半導体株は回復しました。来週もこうしたAIや半導体に関する報道が半導体株を動かし、日経平均の変動要因となることが見込まれます。米消費者物価指数(CPI)など経済指標も相場を動かす材料となる可能性があります。

◆長期金利 :一進一退

今週の長期金利は、高市政権の拡張的な財政政策や日銀の利上げが遅れることへの懸念に加え、米国とイランが再び軍事衝突したことを受けて、一時2.90%と1996年9月以来の高水準を更新しました。ただ、片山財務相が、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内資産の運用を増やす可能性を示唆したことで買い安心感が広がり、大きく低下する動きになりました。

来週は、政府の財政健全化姿勢が後退するとの観測に加え、政権が利上げをけん制しているとの見方が広がっており、日銀のインフレ抑制が後手に回る可能性が意識されていることは金利を押し上げる可能性があります。一方、GPIFによる国内債の買い増し(金利低下)も期待されるため、一進一退の動きが続く可能性があります。中東情勢には引き続き注意が必要です。

◆Jリート :底固い展開か

今週のJリート市場は、概ね横ばいで推移しました。週前半は日経平均株価が調整する中、AI・半導体関連株以外の出遅れ株とともに上昇しました。しかし、週後半は、日経平均株価が反発する中、長期金利が2.9%近くまで上昇したことも重しとなり下落しました。今週末の分配金利回りは5.022%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。

来週は、長期金利の動向や米・イランの和平協議をにらみつつ、底固い展開を想定しています。米・イランの和平協議が停滞する可能性があるものの、GPIF等の年金基金による国内資産への投資拡大を後押しするとの片山財務大臣の発言が長期金利の下押し圧力となる可能性もあり、Jリート市場を下支えすることが期待されます。また、割安感に着目した買いにも期待したいところです

◆為替:やや神経質な動きか

今週のドル円は、日銀の利上げが後手に回るとの懸念が円安圧力となったほか、米国とイランが再び軍事衝突したことを受けて、円売り・ドル買いが優勢になりました。ただ、週末はGPIFが海外資産の配分を減らし、国内資産を増やした場合には、外貨売り・円貨買いにつながるとの思わくが広がり、ドル円は上げ幅を縮小する動きになりました。

来週は、やや神経質な動きが続きそうです。政府の財政健全化姿勢が後退するとの観測や、日銀の利上げ時期が後にずれるとの思わくが、引き続き円の重しになりそうです。とはいえ、城内経済財政相が金融政策の具体的な手法は「日銀に委ねる立場に変わりない」との認識を示したことや、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急がないとの見方はドル円の上値を抑えそうです

◆米国株 :経済指標に注目

今週の米国株は、上値の重い動きとなりました。中東情勢の緊迫化が株価の押し下げ要因となりました。半導体株は、半導体需要が鈍化するとの懸念から売りが優勢となる場面もありましたが、大手証券会社が製造装置メーカーの株価見通しを引き上げたことが好感され、買いが優勢となる場面もありました。

来週は、経済指標が注目されます。14日に予定されている6月のCPIで、予想以上にインフレの加速がみられると、米利上げ観測が高まり、株価の下押し圧力になる恐れがあります。半導体株は、今後の設備投資計画やAIサービスの開発に関する報道、アナリスト予想の修正などを受けて、引き続き不安定な動きが続くことが見込まれます。中東情勢の展開も株価の変動要因となる可能性があります

来週の注目点

機械受注統計(5月)7月15日(水)発表

4月の機械受注(変動の大きい船舶・電力を除く)は、1.1兆円と前月から+8.7%増加しました。機械受注は均してみると2025年終盤ごろから増加傾向で推移しています。従前からの省力化投資のニーズに加え、足元のAIブームで関連製品への需要が高まっているものと考えられます。

先行きの機械受注も、均してみれば増加基調で推移するものとみられます。人手不足や、旺盛なAI需要が企業の設備投資需要を押し上げると見込まれます。

米消費者物価指数(6月)7月14日(火)発表

5月の消費者物価指数(CPI)では、総合指数が前年比+4.2%、コア指数が同+2.9%と加速しました。

6月のCPIは総合指数で前年比+3.9%と減速が予想されている一方、コア指数で同+2.9%と横ばいでの推移が見込まれています。

米・イランの間で停戦合意が結ばれ、原油価格は下落しました。エネルギー価格の伸びは鈍化していくとみられますが、これまでのコスト高が少し遅れて非エネルギー分野の物価を押し上げる可能性があります。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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しんきん投信「来週の金融市場見通し」   しんきんアセットマネジメント投信株式会社
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