来週の金融市場見通し(2026年6月22日~2026年6月26日)

2026/06/19

■来週の見通し

今週、米国とイランの双方が戦闘終結に向けた覚書に合意したことで、市場には安心感が広がり、原油安や株高が進みました。覚書では、30日以内にホルムズ海峡を完全に開放することなどが盛り込まれていますが、イランの核問題をめぐっては、今後60日間で協議する方針です。

金融政策面では、日銀が政策金利を引き上げた一方、米連邦準備理事会(FRB)は据え置きを決めました。来週は、ホルムズ海峡の開放に向けた動きがみられるかに加え、日米の物価指標が注目されます。

◆株価 :底堅い展開か

今週の日本株は、上昇しました。米国とイランが戦闘終結で合意したことが株価を押し上げました。日米の金融政策会合を受けた株価の反応は限定的でした。半導体株は、人工知能(AI)向けメモリーを製造するキオクシアホールディングスの株価が大きく上昇するなど、堅調な動きとなりました。

来週は、底堅い展開が見込まれます。中東情勢が落ち着いたことや、日米の金融政策会合という重要イベントを無事通過したことが追い風となりそうです。ただし、TOPIXと比較した日経平均株価は、割高感が強まっており、利益確定売りが広がると、調整する恐れがあります。半導体株は、25日に予定されている米半導体メモリー大手マイクロンテクノロジーの決算後は、変動が激しい展開となることが想定されます。

◆長期金利 :居所を探る

今週の長期金利は、米国とイランが戦闘終結で合意したことを受け、原油高を背景とした国内インフレ圧力への警戒が後退し、長期金利は2.6%を割り込んで始まりました。その後は、米国の年内の利上げが意識されたことや、日銀の政策対応がインフレに対して後手に回るとの懸念などから、再び2.6%半ばまで戻る動きになりました。

来週は中東情勢や金融政策をめぐる思わくなどに振らされながら、居所を探る展開を予想します。米国とイランが合意した覚書の内容が順守され続けるかなど、先行きの不透明感は残っています。他方、日米の年内の利上げが意識されているため、金利低下は限定的となりそうです。日銀が利上げを決定した金融政策決定会合(6月開催)の「主な意見」や日銀高官の発言、また5年国債、20年国債入札なども確認したいところです。

◆Jリート :底堅い展開を見込む

今週のJリート市場は、米・イランが戦闘終結に向けた和平合意に署名したことが好感され、株式市場が上昇する中、軟調な展開となりました。日銀が6月会合で追加利上げを決定することは既に織り込み済みと見られていたものの、利上げに反応する形で下落しました。今週末の分配金利回りは5.152%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。

来週は、長期金利の動向や米・イランの和平合意の履行状況を確認しつつ、底堅い展開を想定しています。FRBがタカ派な姿勢に転換し、日米長期金利に上昇圧力がかかることも想定されますが、ホルムズ海峡の運航再開が着実に進捗すると、長期金利が低下する可能性もあり、Jリート市場を下支えすることが期待されます。また、安値を拾う買いにも引き続き期待したいところです

◆為替:一段の上昇は限定的か

今週のドル円は、上昇しました。米国とイランが戦闘終結で合意したと伝わり、積み上がっていた「有事のドル買い」を巻き戻す動きが再燃し、ドル売り・円買いが一旦広がりました。ただ、その後はFRBが年内の利上げ見通しを前回の1回の利下げから1回の利上げに転換したことを受けて、一時161円81銭と、2024年7月以来およそ2年ぶりの水準まで上昇しました。日銀の利上げの影響は限定的でした。

来週は、中東情勢や金融政策をめぐる思わくなどに振らされながら、方向感を探る展開を予想します。米・イランの合意については、まだ先行きの不透明感が残っていることや、米利上げが意識されていることから、ドルが買われやすい状況が続く可能性があります。ただ、為替介入への警戒感はドル円の上値を抑制しそうです。

◆米国株 :底堅い展開か

今週の米国株は、上昇しました。米連邦公開市場委員会(FOMC)で、参加者の半数が年内の利上げに前向きな意向を示したことが明らかになり、調整する場面もありましたが、米国とイランが戦闘終結で合意したことが株価の支えとなりました。半導体株は、アナリストが見通しを引き上げたことでマイクロンテクノロジーが大幅に上昇するなど、堅調な動きとなりました。

来週は、中東情勢が落ち着いたことが追い風となり、底堅い展開が見込まれます。半導体株は、25日に予定されているマイクロンテクノロジーの決算後は、変動が激しい展開となることが想定されます。同社の業績は、AI需要への拡大を背景に大きく改善する見込みですが、好決算への期待から株価がすでに大幅に上昇しており、いったん利益確定売りが広がる恐れがあります。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(6月)6月26日(金)発表

5月の東京都区部・消費者物価指数は総合指数・コア指数ともに前月から減速しました。食料品などが上昇した一方で、政府のガソリン補助金や都独自の水道料金無償化が下押し要因となりました。

6月の東京都区部・消費者物価指数は、横ばい圏で推移するとみられます。これまでの資源価格上昇が、徐々に非エネルギー分野の物価にも波及していくとみられる一方、政府のガソリン補助金や都の水道料金無償化、コメ価格の下落などが物価の伸びを抑制するとみられます。

米個人所得・個人消費支出(5月)6月25日(木)発表

4月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比+3.8%、コアPCE価格指数が同+3.3%と、ともに加速しました。エネルギー関連分野、航空運賃、衣料品などが押し上げ要因となりました。

5月も、PCE価格指数、コアPCE価格指数両方で加速が見込まれています。企業の原材料コストや輸送コストなどが上昇していることが、徐々に非エネルギー分野の物価にも波及するとみられます。
また、同タイミングで5月の個人消費支出も公表予定です。物価高を受けて家計の消費に減速感がみられるか、注目されます。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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