来週の金融市場見通し(2026年6月15日~2026年6月19日)

2026/06/12

■来週の見通し

トランプ大統領は11日、早ければ今週末にもイランとの和平合意に署名する可能性があると述べました。これを受け、11日の米国市場と12日の日本市場では安心感が広がり、株価が上昇しました。

金融政策面では、11日に欧州中央銀行(ECB)が約3年ぶりの利上げを決めました。来週は日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。両会合での決定内容に加え、会合後の記者会見などで先行きの金融政策についてどのような情報発信があるか、注目されます。

◆株価 :金融政策に注目

今週の日本株は、一進一退の動きとなりました。週初は、5日発表の米雇用統計が市場予想を上回る好調な内容となったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに転じるとの警戒感が強まり売りが優勢となりました。週末は、米国とイランの戦闘終結に向けた期待が高まり、買いが優勢となりました。

来週は、日米の金融政策会合が注目されます。日銀は、政策金利を1%に引き上げる見込みです。入院中の植田総裁に代わり、内田副総裁が記者会見を行いますが、今後の利上げについてどのような考えを示すかが注目です。早期の追加利上げが示唆された場合、株価を押し下げる可能性があります。FOMCは、新議長就任後はじめての会合であるため、終了後は荒い値動きとなることが想定されます。

◆長期金利 :中東情勢、日米金融政策にらみ

今週の長期金利は、米雇用指標が労働市場の底堅さを示したことから、米利上げが意識され、米長期金利が上昇したことを受けて、上昇して始まりました。ただ、その後は日銀が国債の買い入れ減額を停止する方向で調整していると伝わったことや、中東情勢をめぐる米国とイランとの交渉が妥結に向かうとの期待感から、インフレ懸念が和らぎ、国内金利は低下する動きになりました。

来週は、中東情勢に加え、日米の金融政策を確認しながら方向感を探ることになりそうです。日銀は金融政策決定会合で利上げに踏み切ると見込まれます。市場はほぼ織り込み済みですが、内田副総裁の記者会見で、今後の利上げについて何らかの示唆があるか注目されます。他方、FOMCは現状維持の見込みですが、新しく議長になったウォーシュ氏の発言も注目されます。

◆Jリート :上値を模索する展開か

今週のJリート市場は、米国雇用統計の上振れをきっかけとした米国半導体株の下落を受け、株式市場が調整する中、底堅く推移しました。米・イラン双方の軍事攻撃が継続し、さらなる戦況の激化が懸念されたものの、週末には、米国がイランへの軍事攻撃を終了したと報じられたことが好感され、上げ幅を拡大して引けました。今週末の分配金利回りは5.100%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。

来週は、日銀会合や米・イランの終戦協議を確認しつつ、上値を模索する展開を想定しています。米・イランの終戦協議にはまだ不透明感が残るものの、終戦協議が妥結すると長期金利が低下する可能性もあり、Jリート市場を下支えすることが期待されます。また、安値を拾う買いにも引き続き期待したいところです

◆為替:中東情勢、日米の金融政策を確認

今週のドル円は、米雇用統計が米労働市場の堅調さを示し、米利上げ観測が高まったことから、ドル買い・円売りが優勢になりました。米・イランによる戦闘終結に向けた交渉が難航するとの見方から、ドルに買いが入ったこともドル円を押し上げました。ただ、トランプ大統領が米・イランの戦闘終結に向けた交渉の最終合意が近いとの見方を示したことを受け、上げ幅を縮小しました。

来週は、中東情勢に加え、日米の金融政策を確認しながら方向感を探ることになりそうです。日銀は金融会合で利上げに踏み切ることが見込まれます。市場はほぼ織り込み済みですが、内田副総裁が記者会見で利上げ継続を示唆すると、ドル円の上値が抑えられることも想定されます。他方、FOMCは現状維持の見込みですが、新しく議長になったウォーシュ氏の発言が注目されます。

◆米国株 :FOMCに注目

今週の米国株は、一進一退の動きとなりました。米中央軍がイランへの「自衛的な攻撃」を始めたと発表したことが嫌気され売りが優勢となる場面もありましたが、トランプ大統領が11日、米国とイランの戦闘終結に向けた最終合意が近いとの見方を示したことが好感され、同日の株価は上昇しました。
来週は、FOMCが注目されます。ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長就任後はじめての会合は、政策金利の据え置きが有力です。ただし、金融緩和を望むトランプ大統領の意向を受けて、議長自身は利下げを訴え反対票を投じる可能性があります。また、同議長は、金融政策運営を見直す考えを示しており、「経済見通し」の公表内容が変化する可能性があります。記者会見で示される今後の金融政策方針も注目されます

来週の注目点

全国・消費者物価指数(5月)6月19日(金)発表

4月の全国・消費者物価指数は総合指数・コア指数ともに前年比+1.4%と、前月から減速しました。食料品などが上昇した一方で、電気・ガス料金の補助などが物価を下押ししました。

5月の消費者物価指数は、小幅に加速するとみられます。政府の電気・ガス代支援の終了に伴い、エネルギー分野の物価の下落幅が縮小すると考えられます。ただし、政府のガソリン補助金や暫定税率の廃止、コメ価格の下落などが物価の伸びを抑制するとみられます。

米小売売上高(5月)6月17日(水)発表

4月の米小売売上高は、前月比+0.5%と増加しました。一方で、同月の消費者物価指数(CPI)も同+0.6%上昇しているため、物価の伸びを差し引いた実質的な小売売上高は減少しています。個人消費の伸びが物価上昇に追い付いていない状況です。

5月の小売売上高は同+0.5%の増加が見込まれています。もし小売売上高が物価の伸びを下回るような動きが続く場合、個人消費の減速が懸念されます。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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