来週の金融市場見通し(2026年5月25日~2026年5月29日)

2026/05/22

■来週の見通し

トランプ大統領は20日、イランとの戦闘終結に向けた交渉が「最終段階にある」と発言しました。この発言を受け、原油価格が下落しました。また、21日には米国から提示された最新の和平案に対し、イラン側が回答を作成していると報じられました。イランメディアは米国の案について、両国の「ある程度の隔たりを縮めるものだ」としています。米国とイランが合意に近づきつつあるという期待から、22日の日本市場では株価が上昇しました。来週は、中東情勢の行方や米国の経済指標が注目されます。

◆株価 :中東情勢や米経済指標に注目

今週の日本株は、荒い値動きとなりました。日経平均株価は、内外の金利上昇が嫌気され6万円を割り込む場面がありましたが、週末にかけてはソフトバンクグループの株価上昇が牽引し、堅調な動きとなりました。ソフトバンクグループは、出資先である米オープンAIが上場の準備をしているとの報道を受けて、同社の投資利益が拡大するとの期待から大きく上昇しました。

来週は、中東情勢や米経済指標発表が相場を動かす材料となりそうです。米国とイランが和平に向けた合意最終案を完成させたという中東メディアの報道を受けて戦闘終結への期待が高まっています。実際に、戦闘終結で合意した場合、株式市場は好感しそうです。また、個人所得・消費支出(PCE)などの米経済指標の発表も相場を動かす材料となりそうです。

◆長期金利 :一進一退

今週の長期金利は、20年国債入札は無難な結果になったものの、インフレ懸念が根強い中、中東情勢の混迷によるエネルギー価格の高止まりに対処するため、高市首相が補正予算案の編成を視野に入れると表明したことに加え、補正予算について「新たに特例公債(赤字国債)を発行する方向で検討している」と報じられたことから需給悪化懸念が広がり、上昇する動きになりました。

来週は、日銀の早期利上げが意識されていることから、長期金利は下がりにくい状況が続きそうです。とはいえ、片山財務相が、イラン情勢を踏まえた補正予算案について「追加的な赤字国債に頼らなくてもよい形で対応したい」と述べ、財政への懸念が広がらないよう財源を確保する考えを示したことや、米国とイランの戦闘終結への期待は、金利上昇を抑制しそうです。

◆Jリート :下値の目途を探る

今週のJリート市場は、下落しました。米中首脳会談でイラン情勢に関する特段の成果が見られず、米・イランの終戦合意の早期妥結が見通しにくい中、原油高の長期化によるインフレ再燃に対する懸念から、世界的に長期金利が上昇したことが売り圧力となりました。今週末の分配金利回りは5.073%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。

来週は、長期金利や米・イランの和平交渉の動向を確認しつつ、下値の目途を探る展開を想定しています。引き続き長期金利に上昇圧力がかかりやすい状況ですが、米・イランの和平交渉が進展すると原油価格や長期金利が低下する可能性があり、Jリート市場を下支えすることが期待されます。また、5%程度まで分配金利回りが上昇しており、安値を拾う買いにも期待したいところです。

◆為替:一段の上昇は限定的か

今週のドル円は、エネルギー価格の高止まりで米インフレが再燃し、米連邦準備理事会(FRB)が利上げ転換に迫られるとの懸念が広がり米金利の先高観からドル買い・円売りが優勢になりました。エネルギー価格の高止まりに対処するために補正予算を編成すると伝えられ、日本の財政悪化への警戒も、円売り材料になりました。その後は159円付近での一進一退の動きが続きました。

来週は、日銀の小枝審議委員が今後は政策金利を適切なペースで引き上げて物価高への対応を進めていくことが適切と語り、前週の増審議委員に続き、利上げに前向きな姿勢を示したことは、ドル円の上昇を抑制しそうです。また、米国とイランの戦闘終結が近く合意に至るとの期待が一段と強まった場合には、原油高への警戒が後退し、ドル円を押し下げることも想定されます。

◆米国株 :中東情勢や米経済指標に注目

今週の米国株は、上昇しました。米国とイランが戦闘の終結で合意するとの期待が株価を押し上げました。米長期金利の上昇が一服したことも好感されました。20日に決算を発表したエヌビディアの株価は、一進一退の動きとなりました。同社の決算は、実績・見通しともに好調でしたが、好決算を見込んで株価の上昇が続いていたことから、決算発表後はやや売りが優勢となりました。

来週は、中東情勢や米経済指標発表が相場を動かす材料となりそうです。米国とイランが和平に向けた合意最終案を完成させたという中東メディアの報道を受けて戦闘終結への期待が高まっています。実際に、戦闘終結で合意した場合、株式市場は好感しそうです。また、PCEなどの米経済指標の発表も相場を動かす材料となりそうです。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(5月)5月29日(金)発表

4月の東京都区部・消費者物価指数は総合指数が前年比+1.5%と、前月から横ばい圏で推移しました。食料品が上昇した一方、ガソリン・電気・ガスなどのエネルギーは政府の補助を背景に低下しました。なお、コア指数は前月から減速しました。

5月の東京都区部・消費者物価指数は、総合指数では加速が見込まれます。政府の電気・ガス料金支援が終了したことで、エネルギー価格が上昇すると考えられます。また、足元ではナフサなど、石油関連製品の高騰や不足が懸念されています。こうした影響が徐々にコア指数を押し上げる可能性があります。

米個人所得・個人消費支出(4月)5月28日(木)発表

3月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比+3.5%、コアPCE価格指数が同+3.2%と、ともに加速しました。エネルギー関連分野、衣料品などの物価上昇が背景です。

4月も、PCE価格指数、コアPCE価格指数両方で加速が見込まれています。企業の原材料コストや輸送コストなどが上昇しているため、非エネルギー分野の物価にも波及する可能性があります。

また、同タイミングで4月の個人消費支出や可処分所得も公表予定です。もし家計の所得や消費に減速感が見られれば、景気の腰折れが懸念されます。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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