来週の金融市場見通し(2020年8月24日~2020年8月28日)

2020/08/21

■来週の見通し

2020年4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、コロナ禍で戦後最大の落ち込みとなり、景気の先行き不透明感が高まりました。他方、新型コロナウイルスについては対策分科会の尾身会長が20日、「今の流行は全国的にはだいたいピークに達したとみられる」との見解を示していますが、今後の感染動向が注目されます。また来週は、内外の経済指標や新型コロナのワクチン開発の進展などに加え、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演で、今後の金融政策について示唆があるかも注目されます。

◆株価 :底堅い動きか

日本株は底堅い動きが予想されます。テクノロジー関連株を中心とした米国株の堅調推移が、当面の投資家心理を支えるとみられます。また、米国で新型コロナウイルスの感染拡大が一旦鈍化していることも、国内外の株式市場において好材料となりそうです。ただ、日本では新型コロナウイルスの感染が依然拡大しており、企業業績の低迷長期化が懸念されます。足元の円高も踏まえれば、日本株の上昇は小幅なものにとどまる見通しです。

◆長期金利 :低位もみ合い

先週末に0.045%まで上昇した長期金利でしたが、今週は4-6月期の実質GDPで個人消費が予想を上回る落ち込みとなり、景気の先行き懸念が広がったことなどから、じりじりと低下する動きになりました。来週のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演で、追加の金融緩和への期待が強まると、国内の長期金利は一段と低下する可能性があります。他方、20年国債入札や東京都区部の消費者物価指数も確認したいところです。

◆為替 : ドル円の地合いは弱い

7月に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の内容が市場の思わくほどハト派ではなかたことから、ドル円は一時106円台まで上昇しました。しかし新型コロナウイルスの感染増に収束感がないこと、米政府の追加経済対策の協議が難航していること、米中対立の懸念が依然大きいことなどから、米長期金利の上昇余地は限定的です。来週もドル円が売られやすい地合いは変わらず、じりじりと下値模索の展開を想定しています。

◆Jリート :上値を探る

Jリート市場は堅調な動きが続き、週末には東証REIT指数は1,700ポイントを大きく上回り、6月上旬以来の水準まで上昇しました。長期金利が低下し、相対的に高い利回りに着目した買いに加え、日本プライムリアルティ投資法人の投資判断引き上げも買い材料になった模様です。長期金利が低位で推移する中、予想分配金利回りは4%を超えており、相対的にはまだ高い水準です。上値を探るものの、利益確定売りが広がることには注意が必要です。

来週の注目点

東京都区部・消費者物価指数(8月) 8月28日(金)午前8時30分発表 

東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、7月に前年比0.4%上昇と、6月(同0.2%上昇)から伸び率が拡大しました。補習教育や外国パック旅行費の上昇などがCPIの上昇に寄与しました。

8月も同0.4%の上昇が予想されます。足元、原油価格の持ち直しなどを背景に、物価下落圧力はひとまず和らいでいまず。ただ、外出自粛ムードが長引くとみられる中、サービス需要は盛り上がりにくいため、東京都、全国とも当面、物価上昇は小幅なものにとどまりそうです。

米個人消費支出(7月) 8月28日(金)午後9時30分発表

6月の米個人消費支出(PCE)は、前月比5.6%増となり、市場予想を上回りました。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ目標の基準としているPCE総合価格指数は前年比0.8%上昇と、前月から若干上昇したものの、目標を大きく下回りました。

政府からの直接給付の効果が薄れる中、個人所得は減少しており、個人消費の今後の動向については現在協議中の追加経済対策や新型コロナウイルス感染状況次第であり、予断を許しません。また、インフレ率は中長期的に低迷が予想されます。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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しんきん投信「来週の金融市場見通し」   しんきんアセットマネジメント投信株式会社
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