来週の金融市場見通し(2020年8月10日~2020年8月14日)

2020/08/07

■来週の見通し

国内の新型コロナウイルスの新規感染者数が連日で1000人を超えるなど、感染が再拡大する中、企業業績への警戒も広がっています。他方、米国では新型コロナ危機に対処するための追加景気対策をめぐる協議が続いています。共和党案、民主党案に隔たりがある状況ですが、早晩合意に至ることが見込まれ、景気対策への期待が米国株式市場を押し上げている格好です。来週は、米国の景気対策をめぐる動きに加え、米中の小売売上高などの経済指標、国内企業の決算発表も確認したいところです。

◆株価 :方向感の乏しい展開か

日本株は方向感の乏しい展開が予想されます。米国では包括的な経済対策をめぐる協議が大詰めとなっており、成立すれば一旦好感されそうです。一方、新型コロナウイルスの感染が国内で拡大しており、それに対する警戒感が株価の上値を抑える見通しです。さらに、ドル安・円高観測や業績懸念も日本株の重しとなりそうです。なお、夏季休暇で市場参加者が減少することから、不規則な相場変動を示す場面もあり得るため、注意が必要です。

◆長期金利 :もみ合い継続

日銀の8月の長期国債買入れ予定は7月から変更なしで、市場への影響は限定的でした。10年物国債入札が順調な結果となり、需給懸念は後退しています。黒田日銀総裁は、「当面は新型コロナの影響を注視し、必要があれば、中央銀行としてあらゆる手段をちゅうちょなく講じていく」と、強力な金融緩和を推し進めていく姿勢を示しました。米国でも金融緩和の長期化観測が広がっており、内外の長期金利は上昇しにくい状況が続きそうです。

◆為替 : 調整一巡後は再びドル安

足元、ドル円は7月下旬の下落の調整が入っており、若干底堅い動きとなっています。しかし、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、米景気回復の鈍化が懸念される中、インフレ率は低迷が続いており、米長期金利は緩やかな低下傾向にあります。したがってドル円の上値余地は極めて限定的であり、戻り一巡後は再び徐々にドル安が進むと考えています。今後も米景気対策や米中対立の行方、新型コロナウイルスの感染状況に要注目です。

◆Jリート :引き続き方向感を探る

東証REIT指数は、新型コロナの感染が拡大していることは重しながら、コロナ後の分配金の回復への期待に加え、相対的な分配金利回りの高さに着目した買いも入り、一進一退の動きが続きました。7月時点の東京都心のオフィス空室率は5か月連続で上昇しましたが、市場はある程度織り込み済みで、賃料も79か月連続で上昇したことから、影響は限定的でした。景気や新型コロナ感染の動向をにらみながら、方向感を探る展開が続きそうです。

来週の注目点

景気ウォッチャー調査(7月) 8月11日(火)午後2時発表 

景気ウォッチャー調査の現状判断指数(DI)は、6月に前月差23.3ポイント上昇の38.8となりました。5月下旬に緊急事態宣言が解除された後、経済活動の再開が進んだことから、DIは急回復を示しました。

7月のDIも上昇が予想されるものの、「良い・悪い」の境目とされる50は下回りそうです。7月以降、新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、これによる先行き懸念が当面の景況感を圧迫する見込みです。ただ、緊急事態宣言が全国で再発令されない限り、景況感の極端な落ち込みは回避される見通しです。

米消費者物価指数(7月) 8月12日(水)午後9時30分発表

6月の米国の消費者物価指数(CPI)は、総合で前年比0.6%上昇と低い伸びにとどまりました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは同1.2%上昇と、5月に続き2か月連続で2011年以降で最も低い伸びとなりました。

新型コロナウイルスの感染拡大が物価に大きな影響を及ぼしており、米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ目標には遠く及びません。米国では新規感染者数が高止まりしていることから、今後も個人消費の低迷は続き、インフレは抑制されそうです。7月は総合で前年比0.7%の上昇、コアは同1.1%の上昇を想定しています。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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