来週の金融市場見通し(2019年11月18日~2019年11月22日)

2019/11/15

■来週の見通し

混乱が続く香港情勢や中国経済の減速、また弱めの内容となった国内の7-9月期実質国内総生産(GDP)などは懸念材料も、金融市場は米中貿易協議に振らされる展開が続きました。トランプ米大統領は講演で、米中協議については「合意に近づいている」と述べましたが、米中首脳会談の日時や場所などに言及せず、不透明感は払しょくされませんでした。来週も米中にらみですが、10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨、欧州中央銀⾏(ECB)のラガルド新総裁の講演なども確認したいところです。

◆株価 :やや軟調な展開を予想

日本株は、やや軟調な展開が予想されます。米中貿易協議の進展が遅れる中、これに関する思わくに左右される状況が続くとみられます。7-9月期の国内総生産(GDP)が市場予想を下回るなど景気の基調が弱いことや、為替が円高へ振れていることも、日本株の上値を抑制しそうです。日経平均株価は2万3千円を割り込む場面もあり得ますが、米中貿易協議が合意に近づく可能性もあるため、一方的な株価下落は回避される見通しです。

◆長期金利 : 米中貿易協議の進展にらみ

投資家のリスク選好姿勢が強まり、安全資産とされる債券売りが優勢になったことから、長期金利は12日には一時マイナス0.03%と、4月以来の水準まで上昇しました。その後は米長期金利上昇や国内株の上昇が一服したことから、国内の長期金利は低下する動きになりました。米中貿易協議が進展すると、内外の金利は再び上昇することも想定されますが、日米の中央銀行の金融緩和姿勢は変わっておらず、上昇も限定的とみられます。

◆為替 : レンジ内での推移継続

米中貿易協議において、部分合意に至るという観測は依然強いものの、楽観論がやや後退していることからドル円の上値は109円半ばを上限に重い状況です。また、米国のインフレは低迷しており、米連邦準備制度理事会(FRB)は相当期間、現状金利水準を維持するとみられます。よって米長期金利上昇は限定的であり、ドル円は米中貿易協議に絡んだヘッドラインに振らされながら、狭いレンジ内で方向を探る展開が継続しそうです。

◆Jリート :戻りを探る

長期金利の大幅上昇を受け、利回り面での魅力が減退するとして、Jリートは売りが優勢になり、13日には東証REIT指数は約2か月ぶりの安値まで低下しました。翌日には節目の2,100ポイントを一時割り込みましたが、長期金利上昇が一服したことから、買戻しの動きが強まり、週後半は堅調な動きになりました。押し目買い意欲の強さが確認された格好です。来週は、米中の動向や長期金利に振らされながらも、底堅い動きとなりそうです。

来週の注目点

貿易統計(10月) 11月20日(水)午前8時50分発表 

貿易収支は9月に1,248億円の赤字と、3か月連続の赤字になりました。輸出については、品目では自動車部品や半導体製造装置など、国・地域ではアジア向けや米国向けなどが減少しました。

10月の貿易収支についても赤字が見込まれます。引き続き米中向けの輸出のほか、日韓関係の悪化に伴い韓国向けの輸出も低調とみられます。ただ、10月の消費税増税に伴う国内需要の減少により、輸入も減少しそうです。この結果、貿易収支(輸出-輸入)の赤字は、前月に比べ小幅なものにとどまる見込みです。

ユーロ圏製造業PMI(11月)  11月22日(金)午後6時発表

マークイットユーロ圏総合PMIは、10月は50.6となりました。9月から改善したものの、拡大・縮小の分岐点である50に接近しており、景気後退リスクは高まっています。注目の製造業PMIも45.9と若干の改善となりましたが、50を大きく割り込んだ状況が継続しています。

ユーロ圏ではサービス業は比較的堅調ですが、製造業は引き続き減速感が強い状況です。サイクル的に製造業には底打ち感が出てきたとの見方もありますが、新規受注指数が低下しており、生産の伸び悩みは来年にかけて継続しそうです。徐々にサービス業への影響度合いも高まっており、11月も当該指標に大きな改善は望めなさそうです。

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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