AI相場の継続性について考える視点

2026/10/02

いわゆる「月またぎ」で10月相場入りを迎えた今週の国内株市場ですが、日経平均は月初1日(木)の取引で67,000円台に突入し、68,000円台に乗せる場面を見せるなど、幸先の良いスタートとなっています。

この日の朝(米国時間では30日(水)の株式市場の取引終了後)に発表された、米半導体メモリ企業マイクロンテクノロジーの決算内容が好感され、AI・半導体関連銘柄を中心に買われた動きが反映された格好です。テクニカル分析的に見ても、日経平均は直近で上値の「抵抗」となっていた75日移動平均線を上抜け、そして上放れしつつあり、さらなる上昇も見込める形状となっています。

ただ、その一方で、日経平均以外の株価指数(TOPIXや東証スタンダード指数、東証グロース250指数など)は伸び悩み、もしくは下落しており、一部の銘柄に資金が集まっている様子もうかがえます。

2~3週間後には日米企業の決算発表が本格化するタイミングとなるだけに、「旺盛なAI需要や期待を背景にグロース株の買いが継続するのか?」と、「非AI銘柄にも買いの物色が広がるか?」が焦点になりそうです。

とりわけ、AI相場の行方については、強気派と弱気派で議論が交わされている状況ですが、AI相場の継続性について考える視点として、「需要・期待」、「物理的リソース」、「カネ(金)回り」、「課題対応」の4つが挙げられます。

強気派は「AIに対する需要増が今後も続き、それに伴って関連企業の業績も伸びて行く」という見方、弱気派は「AI投資を支える資金繰り不安や、物理的リソース(部品や電力など)の不足により業績が伸び悩む」という見方がそれぞれの根拠になっていますが、先ほどのマイクロンテクノロジーの決算を受けて、足元の相場は強気派が優位になっていると思われます。

当然ながら、現時点では強気派でも、いずれはその見方を覆すことになりますが、その目安として、バブル崩壊論における「25%ルール(Rule of 25)」というものがあります。「革新的な新技術を背景にした相場(バブル)が終焉するのは、その技術に対する累積投資額が、その国の経済規模(名目GDP)の約25%に達するまでは続く」という経験則です。過去の相場においても、1860年〜1870年代の鉄道網拡大期、1920年代の電力網・電化ブーム、1990年代後半の通信・ドットコムバブルが該当しています。

では、AI相場の現状はというと、ざっくりとした推算ですが、米国の名目GDPの額が30兆~32兆ドルですので、累積投資額の25%の規模は7.5兆ドルから8兆ドルになります。現時点での米ハイパースケーラー4社(マイクロソフト、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、アマゾン)の累積投資額が1.2兆〜2兆ドル規模とされていますので、「まだしばらくAI相場が続く」ことになります。

もっとも、この25%ルールはあくまでも経験則であるほか、今回のAI相場については、雇用の拡大や社会コスト削減効果などが未知数であるほか、急ピッチな投資増による物価や金利の上昇圧力となっており、今のところ、家計部門への恩恵が少なく、AI普及による課題(AIの暴走など)も警戒されています。そのため、思ったよりも早くAI相場が終焉してしまう可能性があることも想定しておく必要がありそうです。

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