金利が高止まりする中での「AI・半導体株買い」をどう見るか?
今週の株式市場ですが、これまでのところ、売りに押される場面が多くなっています。
売りに押される展開自体は先週も同様だったのですが、日経平均の日々の値動きを追っていくと、先週は売りが先行した後に買い戻されることが多く、反対に、今週は買いが先行した後に売りが優勢となって下落に転じる動きが増えているため、株価チャートをテクニカル分析的に捉えた日経平均は、株価水準自体は65,000円水準を挟んだ攻防が続いているものの、下方向への意識がジワリと強まっている印象です。
引き続き、日米の金利(債券利回り)の高止まりが相場の重石になっている格好ですが、直近で米国とイランとの軍事的な応酬が活発となったことで中東情勢への不安が高まり、原油先物(WTI)の価格が上昇するなど、地政学的なリスク要因によるインフレおよびサプライチェーン(供給網)への警戒感が高まっています。
また、来週に開催される日銀金融政策決定会合で利上げの実施が見込まれていることを背景に、国内10年債利回りが上昇基調を辿っていることで、為替市場が円高基調(厳密には円安の修正と言った方が良いかもしれません)となっていることも、日本株の株価上昇を抑えています。
目先は今週末11日(金)に予定されている米8月消費者物価指数(CPI)が注目されますが、仮に、その結果が米国のインフレ鈍化を示すものとなれば米金利の低下材料となり、米株市場の初期反応は上昇となる可能性が高そうです。ただ、日本株にとっては日米の金利差縮小によって円高が進行する可能性があることを考慮する必要があります。また、米国では財政や債券需給なども含めてインフレ要因以外の金利上昇圧力が燻っていることもあり、結果的にあまり金利が低下しないことも考えられます。
そんな中、日米の株式市場では一部のAI・半導体関連銘柄が上昇していることも注目されています。一般的に、金利の上昇はこうしたグロース株にとってネガティブに働くため、これらの銘柄が上昇しているのはやや違和感がありますが、AI分野が「金利の上昇ピッチを上回る成長と利益を生み出す力がある」という見方が背景にあると思われ、それだけ相場の買い意欲と先行きの強気を感じさせる動きと言えそうです。
とはいえ、AI相場については巨額の投資に対する財政面の継続性や、データセンターに必要な半導体やメモリ、部品や土地、電力など物理的な制約がある中で、市場の期待に見合う成長を続けられるかといった不安材料も燻っています。
とりわけ、財政面については、AI投資を行っているハイパースケーラーが、これまで自社が稼いだキャッシュフローだけでは投資額を賄うことができず、外部から資金を調達する動きも増え始めており、この動きが大きくなるほど、AI・半導体関連企業も金利上昇の影響を受けることになるため、相場の上昇トレンドを形成するハードルが引き上げられることも考えられます。
9月相場は、アノマリー(経験則)的にはパフォーマンスが良くない月とされていますが、来週の日米金融政策イベントを控えていることもあり、まだまだ波乱含みの展開が続くことになりそうです。
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