相場変調の兆候サインに注意
9月相場入りとなった今週の株式市場ですが、日経平均などの主要株価指数の動きを辿ると、これまでのところ売りに押される場面が目立っています。
その背景にあるものとして、先行きの不透明感が強まってきた中東情勢や、日米の金利(債券利回り)の上昇基調などが挙げられます。これらの材料は、最近になって降って湧いたものではなく、以前から警戒されていたのですが、8月下旬あたりから株価の上値を抑える役割を果たし始めている印象です。
前者の中東情勢については、「11月の米中間選挙まではイランが強気の姿勢を崩さないだろう」という見方が優位になり、しばらく不安材料として燻りそうなことや、金利の上昇についても、再来週に日米の金融政策イベント(米FOMCと日銀金融政策決定会合)が控えているほか、財政懸念の信用面や、AIハイパースケーラーの巨額の社債発行による需給面での不安など、目先のインフレが落ち着いたとしても、中期的な金利上昇圧力がかかっているため、こちらも金利が高止まりしていくことが予想されます。
確かに、足元の株式市場は売りが優勢になっているものの、相場が崩れたと言えるほどの下落にはなっていません。主力のバリュー株や中小型株が物色されていることや、選別が進みながらもAI・半導体関連銘柄で買われているものも少なくなく、中長期の強気見通しは維持されていると思われます。
したがって、現時点での中東情勢と日米の金利動向は、「上値を追えない、もしくはいったんの売り」材料ではありますが、「積極的に下値をトライする」材料にはなっていません。そのため、目先の株式市場は、株価が上昇しても楽観的な見方が強まらず、かといって下落しても悲観的になりきれない状況によって、「値動きは荒いが方向感に乏しい」展開がしばらく続くことになりそうです。
もっとも、今後の状況次第では積極的な売り材料へと変化する可能性があり、しばらく警戒モードを高めておく必要があります。
そこで、注目すべき相場変調の兆候サインとして、出来高の増加を伴って株価が大きく下落する「ディストリビューションデー」の出現をはじめ、金利や景気の影響を受けやすい中小型株で構成される株価指数の米ラッセル2000の下落トレンド転換、米国債と投資不適格債(ハイ・イールド債)の利回り格差が拡大し、債券市場の需給・信用不安の高まりが意識されることなどが挙げられますが、これらの動向にも注意しておくと良いかもしれません。
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