上値を追いづらくなってきた株式市場

2026/08/28

今週の国内株式市場ですが、日経平均が66,000円台を概ね維持する値動きとなっているほか、TOPIXも下値を切り上げる推移が続くなど、これまでのところ堅調な展開となっています。

とはいえ、日々の商い(売買高)が低調であるため、株価の先高観が高まっているというよりは、様子見の方が強い印象ですが、こうした様子見姿勢は米国で重要なイベントが控えていることが影響しています。

そのイベントのひとつが、「ジャクソンホール会議(米カンザス連銀主催の経済シンポジウム)」です。そこで行われるウォーシュ米FRB議長の講演内容が今後の米金融政策の姿勢を探るヒントとなる可能性があるため注目されています。もっとも、ウォーシュ議長の講演は日本時間の28日(金)の夜に行われ、日本株市場がその講演内容を消化するのは来週31日(月)になってしまうことが今週の薄商いにつながっていると思われます。

また、ふたつめの重要イベントだったのが、26日(水)の米国株市場の取引終了後(日本時間では27日(木)の朝)に発表された米半導体大手のエヌビディア決算です。売上高やEPS(1株当たり利益)がともに市場予想を大きく上回り、前年同期比の成長率が4四半期連続で加速したほか、業績見通しも強気が維持されるなど、力強い内容となりました。

こうしたエヌビディアの決算を受けた株式市場は概ね好感しています。米国の時間外取引(アフターマーケット)でのエヌビディア株価は日中取引の終値(209ドル)から約20ドル高い226ドルまで上昇する場面があったほか、27日(木)の日本株市場でもキオクシアやフジクラ、イビデン、村田製作所といった、データセンター関連銘柄の株価が上昇しました。

ただ、米国のアフターマーケット開始直後のエヌビディア株価は下落が先行していたことや、上昇した銘柄がある一方で下落しているAI・半導体関連銘柄も多く、今回のエヌビディア決算が相場全体の流れを好転させて、積極的に上値をトライする起爆剤となるのかは微妙なところです。

足元の市場の視点は、「巨額の投資に見合うリターンが出る速度で、物理的なリソース不足や価格高騰などを克服してインフラを稼働させられるか?」に向かっているほか、日米の金利(債券利回り)の高止まりによる株価の抑制、不透明な中東情勢、11月の米中間選挙に向けた思惑が高まっていくことなど、相場を取り巻く環境は株価が上値をトライしにくくなってきており、一部のAI・半導体関連銘柄の上昇が相場全体をカバーするのは難しくなっています。

実際に、27日(木)の日経平均は上昇スタートとなったものの、日銀副総裁の発言をきっかけにマイナスに沈む場面があるなど、エヌビディアの決算を好感する買いよりも金融政策をめぐる材料に反応している様子がうかがえます。来週から9月相場入りしますが、アノマリー(経験則)では、1年でパフォーマンスが良くないタイミングであり、警戒モードを高めておく必要はありそうです。

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