迫る相場の「天王山」、日米金融政策イベントと米ハイパースケーラー決算が焦点
今週の日経平均ですが、これまでのところ、週間ベースで4,000円以上も下落した先週とは異なり、戻り基調を辿る場面が目立っています。
テクニカル分析的に見ても、日足チャート上では、株価が75日移動平均線をサポートにする格好で下げ止まって反発しています。もっとも、積極的に買い騰がっている印象はなく、目先は25日移動平均線を回復できるか、さらにその先の7万円台の株価水準を目指せるかが目先のポイントになります。また、週足チャートでも3カ月の値動きの中心線である13週移動平均線が日足チャートと同様にサポートとして機能しています。
そのため、日足(短期)・週足(中期)チャートがともに下値で買いが入っており、本格的な下落トレンド入りを回避している状況と言えますが、別の見方をすれば、「株価がある程度の範囲で調整し、ひとまず様子をうかがっている」と読み取ることもできます。
実際に、来週の株式市場では今後の相場の方向感を占うイベントが相次ぎます。具体的に見て行くと、米FOMC(連邦公開市場委員会)が28日(火)~29日(水)、日銀の金融政策決定会合が30日(木)~31日(金)にかけて開催されます。米FOMCについては、先週公表されたインフレ(物価)関連の経済指標(消費者物価指数と生産者物価指数)が落ち着いた結果となり、目先の利上げ観測は後退していますが、足元では中東情勢が再び緊張感が高まり、WTIなどの原油先物価格が上昇基調にあるため、インフレへの懸念は払拭できないままとなっています。日銀金融政策決定会合についても、直近の円安傾向や高市政権が掲げる経済政策への財政圧迫などを背景に、利上げの実施を見込む声も多くなっています。
いずれにしても、金利の高止まりや上昇は、理論株価を計算する上での項目である「割引率」も高いままとなるため、株式市場が許容できるPERの水準が引き下げられることになり、株価にとってネガティブに働きます。例えば、2026年に入ってからの日経平均の予想PERは概ね19倍~20倍台で推移していましたが、金利上昇が意識され始めた5月あたりからは、16倍~18倍台での推移に引き下げられています。
また、PERの計算は「株価÷1株あたり利益」で計算されるため、今後の株価が上昇して行くには、金利の上昇が落ち着いて下落基調を辿るか、1株あたり利益が増加する必要があります。それだけに、本格化している日米の企業決算の動向が焦点になります。
とりわけ、今週から来週にかけては、AI投資を積極的に行っている米ハイパースケーラー(アルファベットやメタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、アマゾンなど)の決算が出揃います。いわゆるAI相場については、「旺盛な需要が続く」という見方を背景に6月半ばにかけて急上昇しており、「AI投資計画は順調か?」、「投資に見合った業績・収益を上げているか?」、「競争が激しくなりつつある中で優位性を持っているか?」、「AI投資を続けられる財務的な体力はあるか?」などをポイントにして見極めて行くことになります。これらハイパースケーラーは、すでに巨額のAI投資を行っており、本業で稼いだキャッシュのほとんどを投資に回している状況なだけに、財務面に対する注目度が高くなりそうです。
したがって、ここ2~3年のAI相場のパターンと同様に、再び上昇基調を強めて行くのか、それとも、もうしばらく株価の調整局面が続くのかの天王山が来週に訪れることになりそうです。
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