日経平均を揺るがす韓国KOSPI

2026/07/17

今週の株式市場ですが、米国で公表されたインフレ関連指標(6月分の消費者物価指数と生産者物価指数)の結果を受け、インフレへの懸念が後退したことはプラス材料になっているものの、中東情勢への不安の高まりや、AI相場に対する楽観と慎重な見方の衝突、そして決算シーズンを前にした様子見などを受けて、方向感が定まりにくい状況となっています。

日経平均については、売りが優勢となる中で荒い値動きとなっていますが、7月に入ってからの相場展開で目立っているのは、日経平均とKOSPI(韓国総合株価指数)との連動性です。実際に足元の相場では、下落していた日経平均がKOSPIの反発をきっかけに上昇に転じたり、また、KOSPIの下落に伴って日経平均の下げ幅が加速するといった場面が増えています。

こうした日経平均とKOSPIの連動性が強まっているのは、「AI・半導体(特にメモリ関連)」という共通項があるためです。

KOSPIは韓国証券取引所のメインボードに上場する全銘柄を時価総額加重平均した株価指数で、7月16日時点では832銘柄で構成されていますが、半導体メモリ大手のサムスン電子とSKハイニクスの2銘柄だけで時価総額ウエイトの半分以上を占めています。日経平均も半導体メモリのキオクシアをはじめ、東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体製造装置メーカー、さらには電子部品などが指数寄与度の上位に位置しているため、サムスン電子やSKハイニクスの値動きの影響を日経平均が受けやすくなっています。

ここで重要になってくるのは、KOSPIの値動き(ボラティリティ)が大きくなっていることです。

特定の銘柄(サムスン電子とSKハイニクス)のウエイトが大きいことは先ほども述べましたが、韓国株市場では個人投資家を中心に、信用取引やレバレッジ型ETFの取引規模が膨れ上がっていることも値動きを激しくさせている面があります。株価が上昇トレンドにある時には推進力となりますが、株価が下落した際には、信用取引のロスカット売りや強制決済が多く出てくるほか、レバレッジ型ETFが基準価格との乖離を修正するため売りがかさむことになります。

つまり、KOSPIと日経平均の株価の連動性からは、半導体メモリのセクター動向だけでなく、レバレッジを効かせた需給の影響も大きく受けているため、「冷静さを欠いている」面があります。したがって、足元の値動きの荒さは、必ずしも半導体・メモリ関連の先行き不安を正確に表しているとは限らないと言えます。

折しも、日米の企業決算シーズンが本格化するタイミングでもあり、需給(レバレッジ)やムードが先導する相場が一巡し、ファンダメンタルズへの視点が注目される相場へと移行していくことが見込まれます。

そのため、短期的には、需給要因で大きく下落しているAI・半導体関連銘柄の反発狙いの買いをはじめ、商社や銀行などの高配当株や、内需・インフラ関連銘柄、そしてTOPIX型ETFなどで分散投資をするなど、冷静かつ柔軟に対応することが求められる相場局面であると言えそうです。

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