株式市場の熱狂はどこまで続くか?
6月相場入りとなった今週の国内株市場ですが、これまでのところ株価水準をさらに引き上げる展開となっています。
3日(水)の取引では、日経平均が68,000円台の半ばまで上昇したほか、TOPIXも同日の取引時間中に初の4,000p台に乗せる場面がありました。先週に続いて、米国株市場を中心にAI相場がさらに勢いを増してきたような印象です。その米国株市場でも、主要株価3指数(NYダウ・S&P500・ナスダック総合)が揃って最高値を連日で更新する動きを見せています。
確かに、最近の株価はかなりのハイペースで上昇しており、値動きだけを見ると、かなりの過熱やバブルっぽさも感じられますが、それでも上昇の勢いが続いているのは、先日までの決算シーズンを通じてAI投資需要の大きさが確認されたことと、今後もAI需要が継続していくのではという見方が強まっていることが背景にあります。足元のAI相場では、「エージェントAI」や「フィジカルAI」などがキーワードに挙がっていますが、AIがもたらす技術革新や領域拡大が具体的に見込まれる状況になったことで、これまで以上に爆増するデータを処理するのに必要な投資やインフラへのニーズは続くという、強気の見通しにつながっています。
いわゆるAI相場は2022年11月のChatGPTの一般公開から始まったとされていますが、相場を牽引する銘柄は、積極的にAI投資を行っているハイパースケーラー(アルファベットやマイクロソフト、アマゾン、メタ・プラットフォームズ)から、半導体製造関連(エヌビディアやAMD、台湾TSMCなど)へとバトンタッチし、その後もデータセンター関連(電線やエネルギー、建設など)や電子部品関連へと、時間の経過と共に物色の裾野が広がっていますが、いずれの銘柄も、株価が上昇し続けるには、「旺盛なAI投資が続く限り」という共通項があります。
そのため、AI投資に陰りが見えてくると、相場が大きく崩れかねない点には注意が必要です。確かに、AI投資需要が今後も増えて行く可能性は高いものの、これまでにも既に巨額の投資が行われており、「ハイパースケーラーが今後もどこまで投資を続けることができるか?」が注目されます。実際に、ハイパースケーラー4社(アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、メタ・プラットフォームズ)の決算では、投資キャッシュフローの支出額がハイペースで増加しており、営業キャッシュフローの金額に迫る、もしくは逆転しているところも出始めており、「本業の稼ぎの多くを投資につぎ込んでいる」状況のため、今後は投資の継続性により一層の注意を払う必要がありそうです。
また、足元の株価上昇は来週末12日(金)の「メジャーSQ」をにらんだ需給の思惑も影響していると思われます。とりわけ、6月限の日経225オプション取引のコール(買う権利)を見ると、権利行使価格68,000円や70,000円のところで買い建玉が積み上がっていました。このように、現在の株価よりも高い位置の権利行使価格に多くのコールの買い建玉がある場合、株価がその価格に近づくほど、相対するコールの売り方は損失が発生することになります。そのため、売り方はヘッジのために日経225先物取引を通じて買いを入れることになり、「株価上昇→ヘッジ買い→さらに株価上昇→さらにヘッジ買い」といった具合に、SQが近づくタイミングで、加速度的に株価が上昇していくことがあります。
したがって、目先はさらなる株価の上昇もあり得そうですが、メジャーSQという需給イベントを通過した再来週(6月15日週)以降も、株高基調を続けて行けるかが焦点になりそうです。
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