打診買いを継続中

2020/05/28

1ヶ月半を経てようやく全国的に緊急事態宣言が解除された。日本は国内の感染が着実に収束の方向に向かっているが、世界的には新規感染者数はまだ勢いが衰えておらず、特に現在急速な拡大が起こっているブラジルを始め、アフリカなどの新興国や途上国での今後の動向が心配される。国境を越えた人的活動の回復には相当な時間がかかりそうだ。さて遅くなったが、4月のポートフォリオ状況ならびに5月の近況について記したい。

4月のマーケットは日米市場ともに急反発する展開となった。

米国市場は4か月ぶりに反発。3月の雇用統計は-70.1万人と2010年9月以来の減少となり、新規失業保険件数は6週間で3000万件を突破。4月のPMIは36.9と2009年3月以来の低水準に。原油先物相場が一時-40ドルにまで下落したことが大きな話題に。一方、NY州で1日あたりの死者数が初めて減少し、イタリア、スペインでも死者数が減少したことから新型コロナ感染拡大が鈍化するとの見方が広がる。また一部の州で外出禁止令が緩和され4800億ドル規模の追加経済対策が可決して買い優勢に。4月のNYダウは24345ドルと前月より2428ドル上昇し月間騰落率は+11.1%。ナスダックは8889となり1189ポイント上昇の+15.4%となった。

東京市場も4か月ぶりに反発。新型コロナの感染ピークを先取りした海外勢の動きで買い優勢。日本政府の緊急事態宣言を受けて悪材料出尽くし感も広がる。一方、4月の月例経済報告で国内景気が「悪化」との表現が11年ぶりに登場。しかしながら、海外での一部の経済活動の再開が好感され日経平均は2万円台を回復。為替は先月末の108.30円から今月末は106.60円と円高で着地。売買代金は先月の3.6兆円から今月は2.4兆円へと商い細る。4月の日経平均は20193円で取引を終え、3月末の18917円から1276円上昇し月間騰落率は+6.7%、Topixは+4.3%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+7.3%、マザーズ指数は+27.6%となった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における4月のパフォーマンスは+4.5%となり、年初来-13.2%、累計では+127.4%(3月末+117.7%)と大きく前進。4月末時点のポートフォリオの株式比率は66%で24銘柄を保有(3月末は65%で24銘柄を保有)。株式部分の含み益は+10.8%(3月末は+3.7%)。ただし、66%のうち現物株のウェートは32%、日経レバレッジETFの保有比率20%の実質ロング比率は40%でロングは合計72%。これに対し日経ダブルインバースETFの保有比率10%の実質ロング比率は-20%、純金ETF5%は株式とは逆の動きをするため、これらのロング比率は-25%。トータルでは47%のロングポジションである。

4月のマーケットは反発機運が高まった。新型コロナの感染拡大は続いているものの、世界的に見ると急速な増加にピークアウト感が出てきたこと、そして欧米の一部において経済活動を徐々に再開する動きが出てきたことの2点が好感された。

5月はさらに世界的な経済活動再開が顕著となった。5月の半ばまでは、新型コロナにしても、米中関係にしても週替わりでポジティブとネガティブが入れ替わる形で推移し不安定な動きとなっていたが、月末に差し掛かってポジティブが勝り、NYダウは2か月半ぶりに25000ドルを回復、日経平均も2か月半ぶりに21000円台を回復した。

「現在のマーケットは経済実態と乖離している」という意見はもちろんあるが、そもそも株式市場は現状の経済実態よりも半年から1年後を先取りした先行指標の性格を有する面が強い。したがって、3月頃の悲観論ばかり漂った状況が半年後くらいの経済指標に、そして4月からの上昇相場局面はその後すぐに経済実態として現れる、すなわち短期的に改善するとの見立てを示していると考えるべきだろう。弊社では慎重な投資スタンスながらも5月はモデルポートフォリオにおいて打診買いを継続している。個別銘柄ではまだまだ割安な銘柄が非常にたくさんあり、投資チャンスは高まっているとの認識をしている。

 

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