世界同時好況相場が始まった、円高懸念霧消で日本株も合流へ

2017/03/23

【ストラテジーブレティン(178号)】

 

(1) 世界同時好況が始まった
世界同時好況が始まった様相である。製造業PMI は米国、ユーロ圏、中国、日本など全世界的に上向いている(図表1)。商品市況も上昇。原油価格回復による資源鉱工業部門の回復、ハイテク循環の回復が特徴的である。景気に敏感なハイテクの動きは台湾IT 企業の売上高急伸からうかがえる(図表3)。ハイテク在庫調整完了・プロダクトサイクルの好転、中国でのハイテク投資急拡大などが背景にある。また工作機械受注が内外需向けに回復しており、世界的設備投資ブームの兆しがうかがえる(図表4)。

米国の景況感の好転は特に顕著である。米国雇用の8 割強を担う中小企業における景気楽観度指数がトランプ政策への期待により大ジャンプしている(図表5)。またミゼリーインデックス(失業率+インフレ率)が過去最低水準(図表6)、つまり完全雇用に近い好景気なのにインフレが抑制されているから過度の金融引き締めの必要がない。加えて財政赤字は対GDP 比2%台と改善しているから、減税やインフラ投資が可能となる。さらにエネルギーや金融規制緩和もビジネス活動を活発にする。次回中間選挙の2018 年には経済成長率4%を超えるブームが訪れる可能性は大きい。予想される経済ブームは2020 年までのトランプ政権の任期中続くことも十分に考えられるのである。

>>続きはこちら(925KB)

 

株式会社武者リサーチ
武者ストラテジー   株式会社武者リサーチ
「論理一貫」「独立不羈」「歴史的国際的視野」をモットーに、経済と金融市場分析と中長期予想を目的とし提供していきます。
著作権表示(c) 2013 株式会社武者リサーチ
本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。本書および本書中の情報は秘密であり、武者リサーチの文書による事前の同意がない限り、その全部又は一部をコピーすることや、配布することはできません。

このページのトップへ