米金利上昇ショックの株急落、日本株投資に稀有の好条件が揃った

2021/03/01

【ストラテジーブレティン(275号)】

株価急落をどう見るか
世界的株価調整が起きている。日本株価はコロナ後の底値から年末までに68%の急伸を遂げ、今年に入ってからも11%上昇と快進撃を続けてきたが、2月16日の高値から1週間で1,600円、6%の急落となった。米国株式もNYダウ30が史上最高値から2月末の2日間で1,000ドル、3%下落した。ナスダックは最高値から8%、S&P500は最高値から4%の下落となっている。ここしばらく個人投資家によるゲームストップ株などへの投機的集中投資、テスラ、EV関連など特定株式の暴騰、ビットコインの急伸など、投機的要素が高まり、株価バブル説が広く主張されていた。予期されていた調整場面到来であるが、懸念は不要であろう。待ち構えている買い方が絶好のエントリー場面と入ってくるはずである。一気の買戻しが見られるかもしれない。

ファンダメンタルズに死角は見えない
ワクチン接種によるコロナ制圧が視野に入り、世界景気ブームの到来がほぼ確かとなっている。コロナ制圧の暁には堆積してきた欲望と貯蓄(いわゆるペントアップディマンド) の一気発現が見込まれる。鉄鉱石、銅、石油、海運運賃などの商品市況急騰、半導体、コンテナなどの品不足にその兆しが表れている。また中期的にイノベーションが加速することも見えてきた。パンデミックはイノベーションの3条件、技術、市場(ニーズ) 、資本(リスクキャピタル) を見事に揃えた。すでにすべての人間活動をデジタルネット化する技術は存在し、潤沢な資本もあったが、ニーズが欠けていた。しかしコロナは在宅勤務、在宅授業、在宅診察など、大半のビジネスと生活をネット化する必要性をもたらし、一気に市場ニーズが形成された。それによりDX化のトレンドが可視化され、デジタルネット革命での投資競争が展開されている。脱炭素、自動車のEV化の流れがそれをさらに加速させている。このようにグローバル景気拡大シナリオにさしたる死角は見当たらない。
株高が途切れるとしたら、景気失速か、財政金融緩和策の転換だが、政策面での不都合も考えにくい。バイデン政権は1.9兆ドルのコロナ対策、2兆ドルの環境・インフラ投資と、矢継ぎ早に財政政策を打ち出すだろう。イエレン米財務長官は「財政政策は、大規模な経済対策で債務は増大するものの、金利が歴史的低水準にある現在、大きな行動に出ることが最も賢明であり、長期的には経済対策の恩恵はコストを大きく上回る」と主張し、エコノミストや市場の支持を得ている。パウエル氏率いるFRBはQE (国債購入) で対応し財政金融一体緩和(事実上のMMT) を推進する。

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