週刊 株式相場レポート「~米国株安が連鎖~」

2018/10/12

今週の総括

★米長期金利の急上昇で警戒感が広がり世界同時株安。マネーの米国一極集中に転機か

今週のプラス材料
・機械受注、工作機械受注が高水準続く
・小売大手で好決算目立つ
・中国の貿易統計堅調、アジア株が堅調

今週のマイナス材料
・米長期金利上昇が警戒感を呼び米株価が急落
・IMFが世界経済見通しを下方修正
・米中摩擦が通商問題だけでなく外交面にも拡大

今週の日経平均は、先週からの軟調に米株大幅安が追い打ち、前週比1,000円を超える大幅安となった。

先週は、米長期金利が年初来の上限値3.1%を超えて3.2%台に乗せたことで、日米金利差の拡大からドル円も1ドル114円の円安となり、NYダウも26,500ドルを超える高値圏にあった。その後、今週に入ると、この米長期金利高が徐々に市場の警戒感につながり始め、NYダウが10日、11日と連続して大幅安となり、日本を含めて世界中の株式市場が下落した。一般的には金利高(債券安)と株高が重なることが多く、債券価格と株価の逆相関と呼ばれるが、市場に警戒感が強まった時は、逆に金利高と株安の組み合わせになることもある。今回は後者だが、今年2月と同じ展開である。

業種別にみると、ハイテク株の下落が目立った米株式市場と異なり、業種間にあまり差がなくどの業種もほぼ同じ下落率となった。グロース・バリュー両指数にも差がなかった。あえて特徴を挙げるならば、好決算の目立つ小売や、建設、不動産、電力・ガスの下落率が、平均より少しだけ小さめとなった程度だった。

 


来週以降の見通し

★ボックス圏の中、決算発表を見極めか

日経平均想定レンジ  22,50023,500

来週以降の注目材料
・米中間選挙に向けた米政権と対抗する国々の動き
(中国、イラン、トルコ、イスラエル、シリア、北朝鮮等)
・英国のEU離脱交渉の行方
・2Q決算発表

リスク要因
・米政権の動き/関連報道
・原油価格(イラン動向含む)と為替市場の乱高下
・北朝鮮動向、トルコ動向、イスラエル・シリア動向
・米国、中国、欧州の各地域経済の減速リスク


来週の日経平均は、日米の個別決算発表や11月の米中間選挙を控え、一旦は様子見モードとなりそうだ。

今週は大きく下落したものの、日経平均終値は9月半ばの水準。4月から9月半ばまでのボックス圏に戻ったという言い方もできよう。国内経済も世界経済もこの数週間で大きく加速した訳ではないし、企業業績も全体としては大きく変わらない。米中通商摩擦やいくつかの地政学リスクにも特に目立った変化は見られない。9月半ばから先週までに変わったのは、米長期金利上昇と円安だが、変化幅は米長期金利が約0.2%、為替は1ドルあたり2円程度である。その中で株価が上昇した訳だが、「何も変わらないのに上昇した」と言えなくもない。そして今週は、直近に上がった分だけ下落して元の位置に戻ったようにも見える。一方で、「何も変わっていない」のであれば、ここから下がる必然性もあまり無く、さらなる下落の懸念は小さいように思う。

一方、直近高かった原油価格が少し落ち着き、マネーの米国一極集中のサインとなる金価格安も少し戻っている。このまま両価格が落ち着くのであれば、米国に集まりすぎたマネーが新興国などに戻る可能性がある。当面はボックス圏だが、11月初めの米中間選挙・米のイラン制裁開始の反応次第で、もう一段の調整局面入りするリスクはまだ残されていると思う。

 


コラム 「徒然なるままに」

先週、台湾の澎湖(ポンフー)島を訪問した。トライアスロン大会出場のためである。

ポンフー諸島は台湾の西方50㎞にある島々で、主要な島に囲まれた澎湖湾は「世界で最も美しい湾」の1つに選ばれている。人口は約10万人で、風土的には沖縄の宮古島・石垣島に近いイメージだった。

先週は台風24号が来たが、台湾から見るとうまく沖縄から日本方向にそれたため、大会には影響が無かった(被災された皆さん、ゴメンナサイ)。ただし、ポンフー島は海のど真ん中にあり、さらに沖縄諸島や五島列島とは異なり、海風をさえぎる山が無い平面に近い地形のため、特に秋から冬は常に風が強いらしい。レース当日は過去数回の開催で最強の風が吹く厳しいコンディションとなり、スイムは3.8㎞がわずか400mに短縮された。バイク180㎞は日本の大会だったら距離短縮かバイクを中止にしたかもというレベル。通常なら時速30~35㎞くらい出るところ、追い風では平地でも時速40~45㎞が軽く出る一方、向かい風ではどの選手も時速10~15㎞が精一杯。横風になると落車する人もいて、私も1回落車して茂みに突っ込んだ。

レースは大変だったが、ポンフー島はとてもよいところだった。海岸線はキレイだし、地元民はみんな親切だし、食事も魚介類が新鮮で美味しいし、値段もお手頃。ホテルで食べても安いが、街に出ると麺類1杯250円ぐらいで、ホントに安かった。

そんな街の小さな麺店でのこと。メニューは英語も日本語もないので、漢字を頼りに指さして注文して、ふと店内のTVをみると、何と日本のプロ野球の生中継。ポンフー島は日本人にはあまり知られていないと思うが、現地の人には日本は身近な存在なのかもしれない。そういえば高校生くらいの大会ボランティアの中には日本語で応援してくれる人も結構いた。日本語で応援されると歩きたくても歩けない。

台湾は親日国だと聞いたことがあるが、想像以上に日本が身近な存在で親日なんだなと感じた。レースは大変だったし、車の運転が荒いのにはビックリしたが、何だかとてもほっこりした数日間だった。

 


次回発行予定:10月19日(金)17:00以降

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