週刊 株式相場レポート「~米国発リスクオフが続く~」

2019/08/16

今週の総括

★「米金利逆イールド」と「香港デモ激化」が懸念事項に追加も円高が進行せずに下落は小幅

今週のプラス材料
・米政府が対中国制裁関税第4弾の一部を先送り
・中国の人民元基準値切り下げに歯止め
・機械受注6月:前月比13.9%増

今週のマイナス材料
・米長期金利が短期金利を下回る逆イールドに
・香港の抗議活動で空港の欠航相次ぐなど影響拡大
・中国:工業生産や自動車販売などの統計が低迷


今週の日経平均は、一進一退ながらも米国の株安・金利安の影響を受けて、前週末比266円安となった。

8月に入ってからの、米国株価大幅下落と長期金利急低下に象徴されるリスクオフの動きは今週も続いた。
米政府が、9月に実施予定だった対中国制裁関税の一部を12月に延期すると発表したことを受けて、一旦は市場心理が回復傾向となった。しかし、香港の抗議活動激化に加え、米債券市場で長期金利が短期金利を下回る、いわゆる「逆イールド」と呼ばれる現象が起きたことで、市場心理が再び冷え込んだ。アルゼンチン大統領選予備選後のペソ下落や中国・インドの自動車販売減速、工作機械受注の低迷などもマイナス心理に働いたと見られる。米株価の再下落を受けて、日経平均も下落したが、ドル円相場が1ドル106円前後で円高が進行しなかったことから、日経平均の下落幅はNYダウの下落幅より小幅に留まった。

業種別に見ると、石油と鉄鋼、証券を除く金融株、海運・空運、自動車、食品などの下落幅が大きかった。今週もまた、東証バリュー指数は同グロース指数より下落幅が大きく、昨年来の傾向に変化は見られず。


来週以降の見通し

★まだまだ予断を許さない

日経平均想定レンジ  20,000~20,900円

来週以降の注目材料
・米ジャクソンホール会議(8/22~24)
・米中通商摩擦動向、米中両国の景気動向
・米利下げ動向
・イラン、香港を始めとした世界各地の地政学リスク

リスク要因
・米政権の動き/関連報道
・原油価格(イラン動向含む)と為替市場の乱高下
・北朝鮮動向、トルコ動向、イスラエル・シリア動向
・米国、中国、欧州の各地域経済の減速リスク


来週の日経平均は、引き続き神経質かつ警戒感の感じられる相場が続きそうだ。

来週の注目イベントは週後半に開催される予定の米ジャクソンホール会議。毎年8月に開催されている経済シンポジウムで、主要国の中央銀行総裁、政治家や学者が参加する。今後の金融・経済政策のヒントを探そうと、毎年注目されているイベント。今回も米利下げ動向が最大の関心事項だろう。次回の米FOMC(9/18結果発表予定)に向けて、政策金利引き下げがあと何回あるのか、その前提となる米景気に対する見方を含めて、講演や発言の内容が注目される。そしてもちろん、米中通商摩擦や香港を始めとする各地の地政学リスクの動向も市場価格を左右し続ける可能性が高く、注意が必要だろう。

今回の円高は、米長期金利が2.0%→1.7%と低下したタイミングで1ドル108円台→105~106円台となった。今週の米長期金利はさらに1.5%台に低下したが、ドル円は1ドル106円前後のままである。為替相場は、日米の金利差だけで決まる訳ではないが、このまま米長期金利が1.5%台に留まったり、あるいはさらに下落する場合、ドル円相場に円高圧力がかかり続ける可能性が否定できないだろう。米長期金利と為替相場の今後の動きに注目したい。「まだ終わってない」気がして仕方がない。


コラム 「徒然なるままに」

先月以降、東京五輪の1年前ということで、いろんな種目のテスト大会が開催されている。選手にとっては会場を下見する貴重な機会だし、運営側にとっては、来年の本番に向けた開催シミュレーションとしてとても重要なテストになるだろう。

テスト大会の1つとして、11日にオープンウォータースイミング(OWS)大会が、東京・お台場で開催された。五輪開催の課題として高温があり、マラソンのスタート時間が早朝になることが話題となってきたが、OWSも同じ。国際水連ルールの海水温上限は31度。今回は午前5時に29.9度あり、女子7時→7時2分、男子10時→7時と変更された。来年は5時~6時半などに変更される可能性もあるらしい。観戦するのも大変だが、選手の健康を考えて決められたルールは守るべき。というか、天候次第では、開催そのものもできなくなるかもしれない。選手も関係者も悩ましいだろう。

さらに課題がもう1つ。選手から「トイレみたいな臭い」との声が相次いだそう。お台場では以前からOWSやトライアスロンが開催されており、「臭い」「お腹を壊す」というのはOWS・トラ仲間では有名な話だが、今回は世間にもこの問題が広まった格好だ。

報道などによると、原因は下水処理。下水と雨水が同じ水路に入るため、雨が多いと下水処理場がパンクするので処理せず海に流すらしい。トイレの下水がそのまま海に流れるのである。臭いのは当たり前だ。でも、この事実を知っている人はそう多くはないのではないか。私も知らなかった。改善には東京中の下水管を交換する必要があり、30~40年はかかるだろうと言われているそうだ。来年には間に合わない。

大会事務局は事前に水中スクリーンを準備・実験しており、今回は1重スクリーンを設置したそうだ。本番は3重スクリーンにする予定らしい。3重にするとかなり効果があるとの実験結果らしい。一方、スクリーンで囲うと水温が上がるそうだ。3重にすると1重よりさらに上がる可能性が高い。水温オーバーで開催できないリスクありだ。既に都外で開催する競技もあるし、お台場にこだわらず、OWS大会開催実績のあるもっとキレイな海で開催した方が、安全かつ「おもてなし」にもなる気がする。

トライアスロンに加えOWS大会にも出ていることもあり、今週一番気になった話題。


次回発行予定:8月23日(金)17:00以降

過去のレポートはこちら

■ 松井証券マーケットレポート

その他の投資に役立つレポートも公開中

■ 松井証券マーケット情報 最新レポート

つみたてNISA_300x250

松井証券株式会社
株式相場の振り返りと翌週の展望に関するレポートです。
注目材料や想定レンジ、主なイベントスケジュールなど、投資を考えるうえで重要な情報をお届けします。

【原則、毎週最終営業日の17時以降に更新】
・本レポートは、当社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、その情報の正確性および完全性を保証するものではありません。
・本レポートは、お客様への情報提供を唯一の目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません。
・投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
・本レポートに掲載された情報の使用による結果について、当社が責任を負うものではありません。
・本レポートに掲載された意見や予測等は、レポート作成時点の判断であり、今後、予告なしに変更されることがあります。
・本レポートの一切の著作権は当社に帰属します。いかなる目的であれ、無断複製または配布等を行わないようにお願いいたします。