想定通りの下落調整。ドル円離れする日本株市場。

2016/06/06


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▼波乱はすべて早晩修復される。
あたかも、大変な相場波乱になったかのように見えますが、恐らく錯覚、思いすごしです。
こう言いますと、相場分析としてはあまり穏当ではないかもしれませんが、ようするに、波乱があっても、本来の通常のトレンドに回帰するということを繰り返していくのではないか、ということです。
後段で述べるカレンダー・スケジュールに示している、今後のさまざまなイベントとそれが巻き起こす波乱に対して、株式市場は非常に強い復元力をもって、逐次元通りにトレンドを修復していくことが続くのではないか、ということです。

▼日経平均の急落前後で、実はほとんどなにも変わっていない。
直近の急落も、実は、日経平均だけが、突如として急落をして25日線を割ってしまった、という事実だけが、ネガティブサプライズとなっただけで、そのほかの環境は、急落前とほとんどなにも変化がありません。
結論としては、当初から「これは一過性の下げではないのか」という個人的な見解そのものであり、今でもそうです。

▼緊急避難の手当て。
一応、あまりにも不可解な日経平均の急落でしたし、日経平均、ドル円、ダウ輸送株などいずれも、重要な移動平均線でぴったり止まったり、その間にとりこまれてしまったり、さてここから上か下か、どちらに大きく動くのか、まったく判断がつかない状態に陥ったので、そのため【赤備え】では、3割キャッシュ化と、持ち残に見合うていどの日経ダブルインバースETF 1357でヘッジをしました。これは、2日の【赤備え・号外】でお知らせした通りです。
予想外の相場の一段突っ込みがあったとしても、資産価額を現状維持で守れるように、「掛け捨て保険」をしましょう、という判断をしたわけです。
この意味不明の相場急変という事態ですが、日経ダブルインバースETFをヘッジ買いしたのは、あくまでヘッジです。
もし、この相場が完全に滑落するという判断をしたのであれば、現物株を全数処分して、ダブルインバースの一点買いをしたでしょう。
しかし、日経平均だけが、崩れたということ。そして、その日経平均も25日線を、大きく下方乖離して、下放れたわけではないので(2日の段階)、下落トレンド入りの判断ではなく、あくまで「わからない」ということだったのです。
そういう場合、まず「緊急避難」でキャッシュ3割を確保し、それで日経ダブルインバース買いをして、残存株の資産価額がそれ以上毀損(きそん)しないように、掛け捨て保険をしましょう、という意味です。

▼週末(昨晩、現地3日)の米国市場も、大波乱。
それまで、二日間の日経平均の急落は、日本だけだと思っていましたが、週末とうとう米国株市場も、思わぬ大波乱となりました。
雇用統計の非農業雇用者数増加が、16万人予想に対して、3.8万人ということです。
わたしも目が点になりました。
通常、労働市場の好悪の分岐は、20万人増というところですが、直近、通信キャリアのベライゾンのストライキがあったため、おそらくその分が影響して、16万人増くらいだろう、と市場では言っていたわけです。(悪いデータだろう、というこの予想については、すでにレポートでも予告していた通り)
それが、こともあろうに、3.8万人増まで減っていたので、ショックだったわけです。
一体、なにが起こったのだ、ということでしょう。市場でもそのデータの消化に手間取り、当初大混乱となったようです。
ドル円は、106.50円まで急落です。
米国10年利回りが1.81%から、一気に1.69%まで急低下したためです。
これらは結局戻りませんでした。
米国株のほうも、ダウ輸送株が1.2%の急落をし、200日線を割ってしまったのですが、その後、次第に、これは異常値であるという認識で落ち着き始めたのでしょう。
だんだん下げ幅を縮小し、200日線も回復し、結局0.42%の小幅安で終わりましたので、株式市場は、とにもかくにもこの雇用統計に関しては異常値として、消化しきったようです。
来週イエレン連銀議長の講演が予定されていますが、あまり市場では注目していなかったものの(すでに直近のハーバード大学の討論会で、数ヶ月以内に利上の可能性あり、とすんなり話しているので)、この極端に弱い雇用統計ですから、彼女が何をいうのか、市場は大変注目することになりそうです。
「経済指標はたくさんあるから、まあたまにはそういうイレギュラーな数値がでることもあるわよ」くらいの、ことを言うかもしれません。
この件をめぐる、週明けの相場分析に関しては、次に掲載する【6日用、早出し版 金斗雲・日報、朝刊】をご覧ください。
そういえば、5日・日曜日は新月です。やはり月齢は影響しているのでしょうか。
多いパターンとしては、新月で下がり、満月(20日)で上がるのが株式市場の意味不明の傾向です。
変化日は、ご存知のように、そのちょうど中間・13日に到来します。(FOMCと日銀会合が15日で重なりますから、15日まで変化日と考えても良いでしょう。)

▼アノマリーがくつがえる。
なかなか、サマーラリーが来ないことに、いらいらする日々ですが、「来る」でしょう。
ましてや、直近の日本市場の滑落、週末の米国市場の混乱など続きましたから、ますます疑心暗鬼になりそうですが、やはり錯覚で終わるとおもっています。
サマー・ラリーは、多少遅れたとしても、来るという想定は当レポートでは変わりません。
おそらく、予定されている13日の変化日前後から、相場は明確な戻り歩調を取り戻していくのではないか、と期待しています。
さて、そのサマー・ラリーですが、とくに今年に関しては、確率的には非常に夏場高いという想定です。
それは、例年のアノマリーが、まったく通用しないという事実一つで説明できます。
例年の相場パターンというのは、ファンドの「税制仮説」に基づき、その損益通算の期限である10月・11月までに持ち高調整をしてくることで、夏場から秋まで下がって終わります。

(例年の年間のアノマリー、と今年のイレギュラー性)・・・図表割愛。

ファンドの新年度は実質的には11-12月から始まるからです。
ポジションがそれまでにニュートラル(中立)化するのです。
従って、年初から夏場まで紆余曲折はあっても、上がるというのが普通で、それが夏場以降に処分されるため、下がります。これが、年間のアノマリーです。
ところが、今年は年初からまったく日経平均は上がらず、大きく下げてから、底入れはしたものの、以前として、年初水準から10%下という水準のままです。
当然、日本株ポジションに関しては、海外ファンドはショートカバーを今後、秋まで行って、ニュートラルにしていく展開になります。当然の動きです。
従って、こと日本株市場においては、例年のアノマリーは今年は通用せず、むしろくつがえされる展開になると、当レポートでは考えています。
実際、日本の買い手の信用取引の絶対期日は、すでに6月1日応当日で、終了しているので、売り圧力は出てきません。
一方売り手に関しては(すでにご存知のように)、あと2ヶ月は少なくとも、空売りの買戻しという圧力が潜在し続けます。話に整合性が合ってくるわけです。

▼日経平均が底入れを模索しているシグナル。
そのほかにも、この波乱はダメ押し的なもので、錯覚にすぎず、相場が反発をしていく前の屈伸でしかない、という可能性を示唆している定点観測項目があります。
一つは、投資主体別動向です。
直近5月第4週のデータは、外人売り越し、個人売り越しでした。
順張りの外人が投げ、逆張りのはずの個人も売ったということです。
市場には、買う人が誰もいないという状態を示すこの2主体の行動パターンが同時に発生したときには、例外なく、相場がボトム圏にあるという歴史的事実があります。
そのシグナルが点灯しているわけです。
もちろんこのパターンは、一週だけではなく、2週、3週続くこともあります。
このデータのあと、6月相場はいきなり、急落したわけですから、もしかするとこの2主体の同時売り越しという状況は、まだ続いているかもしれません。
いずれにしろ、ボトムアウトは時間の問題ということになるはずです。
もう一つの定点観測項目は、それこそ直近の空売り比率です。売買全体に占める空売り比率が、2日の段階で、すでに42.8%に上昇。
40%以上は、基本的には相場がボトム圏です。
二つもボトムのシグナルが発生しているわけですから、やはり底入れは時間の問題と考えられそうです。
こうしたことからも、今回の下げが「一過性」ではないか、という推論が導きだされます。

▼すでに、日本株はドル円離れが始まっている。
その兆候のうち、最も劇的な変化が、すでに出てきています。
外部環境と切り離された下げをした日本株は、外部環境にそれほど左右されずに、買い戻されていくという兆候です。
ドル円と日経平均の関係性が、破断されつつあるという事実があるのです。

(図表~ドル円と日経平均の相関性が破断)・・・図表割愛。

このチャートを見ますと、一目瞭然。明らかに、日経平均のトレンドは、2月の安値ヒット以降、ドル円のトレンドと相関性が破れ、乖離が始まっています。
円高のチャネル(下降チャネル)に対して、日経平均は株価上昇(上昇チャネル)を形成しているという事実です。
分足を見ていたら、あるいは日足でも近視眼的に見ていたら、いつまでもこういう大きな流れの変化に気づかず、時代錯誤の相場認識で判断を見誤ります。
なにを意味するのかというと、短期的にはドル安・円高をネガティブに受け止めても、大きな流れとしては、反応薄になってきているということです。
つまり、どこまでの円高までかはっきりわからないものの、そのネガティブダメージについては、すでに織り込み済みになった、ということを意味しているのでしょう。つまり、今後、日経平均がこのトレンドを継続するとしたら、あまりドル円を気にしなくなってくるということです。
もっと言えば、米国がいずれにしろ利上げに踏み切ってくるとして(6月、7月、9月説とありますが)、それは米国景気の順調な拡大を背景とするものですから、日本株は利益成長期待が、円高のダメージを十分克服するというシナリオ想定が前提となってくるはずだということです。
先日も指摘しましたように、日米ともに、マクロ・ミクロのファンダメンタルズ・データの悪化は、とくに企業業績など、前期でかなり「膿(うみ)」を無理して出してしまっていることから、今年の下半期は、予想外のポジティブサプライズになりやすい、ということです。
その局面が待っているということです。前回の週報でも述べたように、それは、早ければ一部の企業では、今月発売の四季報・会社情報で出て来るでしょうし、多くは9月の発売号で市場の注目を集めることになるはずです。
ちなみに、ドル円は、21世紀に入ってからというもの、年間変動幅は平均14.85円です。
今年はすでに16.14円変動しているわけです。
直近の上昇幅のちょうど半値押し近辺まで下げたということから考えても、ドル円自体もここから円高に大きくブレるというのは、考えにくいような気がします。

▼米国の政策金利ボトムから、利上げ→円高→日経平均の上昇加速という歴史的事実。
このドル円の下落(円高)に対して、日経平均が反対に上昇トレンドを描き始めたということは、非常に重要な大きな変化を示唆しているかもしれません。
これが、1-2週間の変化であれば、そういうこともある、で済みますが、2月以降4ヶ月に及ぶ傾向ですから、かなり明確だと言わざるをえないでしょう。
そろそろ、円高=日本株安という、固定観念の呪縛からわたしたちも解放されるべき局面に来ているのかもしれません。
ここで、過去の歴史的事実を確認してみましょう。

(ドル円と日経平均、長期チャートの比較)・・・図表割愛。

1985年以来の月足チャートで比べたものです。
一般的な常識と違い、円高局面で、日経平均が大相場で上昇しているときが、じつは結構あるのだ、ということがわかります。
少なくとも、5回それは発生しています。
現在は、6回目だということです。
この5回に共通している点があります。
それは、常に事前に米国の政策金利FFレートが、大底になり、そこから利上によって、上昇していった過程だ、ということです。
実際に、FFレートの実勢チャートを確認してみましょう。

(FFレートの実勢チャート、長期)・・・図表割愛。

ほぼ米国の政策金利FFレートの上昇タイミングというのは、前図で示した、ドル安(円高)・日経平均上昇と時期的にかぶっています。
相前後して、ほとんど同時といってもよいでしょう。
これも、米国利上=日米金利差拡大=ドル高(円安)=日経平均上昇という固定観念を根底からくつがえす歴史的事実です。
そして、往々にしてこの局面が発生する場合、日本株相場はバブル化したケースが多いということに気が付くはずです。
こうしたダイナミックなグランドピクチャーがないままに、こまかい短期的な売買を場当たり的に繰り返すのか、それともこの大きなトレンドに乗って逐次相場判断をしていくかは、投資家次第です。
少なくとも、このトレンドを信じるのであれば、2008年に日経平均が大底を打ち、2009年には米国政策金利がボトムを打った5回目の循環というものは、そのまま現在、反転して上昇していく日本株上昇を示唆していると読めることになります。
いつになく長い米国政策金利の底這い、今後も緩慢な利上げ、ということからすると、5回目と6回目というのはじつは一続きのラウンドであり、非常に長い日本株上昇トレンドだということが想定できそうです。
往々にして発生するであろうバブル化というものは、かなりの確率で用意されていると考えて良さそうです。

▼カレンダースケジュールで、相場の転換を想定する。
そこで、今後、7月までのカレンダースケジュールを見て、相場の転換が起こりうるタイミングをあらかじめ想定しておきましょう。

(図表~6-7月のカレンダー)・・・図表割愛。

このカレンダーを見ますと、いかにもたくさんのイベントがあって、先行き不安になるかもしれませんが、冒頭から述べてきていますように、大きな流れでは、とくに心配するようなことはありません。
恐らく、このカレンダースケジュールに書かれている各種イベントというものは、結局「たいしたことは起こらなかった」という結果に終わるのではないでしょうか。
そのたびごとに、相場が逐次買い戻されていくと考えるのが、冒頭から述べてきた「トップダウン・アプローチ」から導かれた結論です。
つまり、通常通り、月間のアノマリーで押し、変化日あたりで転換、といういつものような相場展開を想定していればよいということです。
7月のアノマリーだけが、どう判断していいのか、今の時点ではよくわかりません。
先述の、今年前半下げた場合、秋に向かって上昇して終わるというアノマリー破りの年と考えられるので、その場合、7月4日の変化日を経て、恐らくは日本のお盆あたりまで、最後の上昇になってくるという公算も残されている、ということになります。
この上昇がオーバーシュートで行過ぎたものになれば、秋にかけていつものように下落調整でしょう。
逆に、まだショート分の手仕舞いが終わっていなければ、そこからまだ秋まで上昇し続けるということも考えられます。
7月以降の相場展開については、そのときまだ外部環境をチェックしながら検討すればよいでしょう。
まずは、7月4日までの相場です。

▼個別銘柄の絞り込み一覧とそのポイント。
以下、省略。

以上

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