【一粒萬倍/株の宝典】下げの本質は景気後退ではなく、ファンドの需給。

2019/05/30

【一粒萬倍/株の宝典】下げの本質は景気後退ではなく、ファンドの需給。

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【一粒萬倍/株の宝典】

★景気後退懸念(米中協議の長期化懸念)で続落商状。
今週の米国株市場は続落モードです。昨晩はNYダウ工業株が一時400ドル超の下げとなり25000ドルを割り込みました。引けでは221ドル安の25126ドル。0.57%下落。
これで総合株価指数S&P500とナスダックがちょうど200日線まで下落。
その他の株価指数はすべて200日線割れ。ただ半導体SOX指数は、昨晩唯一反発はしています。
最大のリスク指標ジャンクボンドも下げており、これだけが200日線上に位置しているものの、5月13日の直近安値を割りました。
マネーの循環では、米10年国債利回りが一段と低下、国債に資金が流出しています。2.2360%でした。

★消費・小売り弱い。半導体には異変あり。
ジョンソン&ジョンソン、ナイキ、アバクロンビー&フィッチ、ベルサーチを有するカプリ
などいわゆる消費・小売り銘柄が、それぞれ固有の事情で大きく下げており、これがかなり景気後退懸念とイメージがオーバーラップしたようです。
ハイテクも大きく下げていますが、相場下落の急先鋒であったはずの半導体、ベンチマークのインテルやアプライドマテリアルズは、安値更新せず反発している点に注目。
先述通り、指数でプラスなのは実は半導体SOXだけだったという事実です。景気の先行業種が反発したということになります。

★景気後退に名を借りた、ヘッジファンドの中間期末売り。
表面的にはいかにも米中協議が長引きそうだ、景気は減速から後退しそうだ、といったようなセンチメントなのでしょうが、昨年10-12月に見られたような、米中関税合戦激化を織り込んだときのような悲観論はどうも今回見られません。
なんとなく、ずるずる下げているという印象です。
恐らくこの下落の本質は、そうしたファンダメンタルズ悪化に名を借りた、なんらかの需給要因だろうと思います。
その一番大きな要因として考えられるのは、ヘッジファンドの中間期末ということでしょう。ファンドによっても異なるでしょうが、通期決算が11月に多いことから、今年に関しては税還付金が終わっていく5月に、このポジション調整がかなり顕著に出ているのかもしれません。場合によっては、運用成績が不調ということから換金請求が多く、これに対応するために相場下落が引き起こされていることも考えられそうです。12月通期の場合には、6月が中間期末ということでしょうから、まだその残存分はあると考えられることから、需給的な相場下落圧力は、かなり峠を越したと思われるものの、まだ残りが6月上旬にはあるかもしれません。
実体は、そんなものであろうと推察されます。

★半導体を巡る思惑。
先日、日経新聞夕刊「ウォール街ラウンドアップ」では興味深い半導体を巡る見方の解説がありました。現在業種別では、(とくにアメリカでは)半導体SOX指数の下げっぷりがもっともひどいものでした。先週などは週間ベースでは6.5%の下落ですから、ダウ輸送株指数の倍という大きい下げ率です。
ところが、業界ではさして表立った懸念が出ていないというのです。
たとえば例に挙げていたのはクアルコムですが、懸念がそれほどないというのは、ライセンス収益が、半導体収益を大きく上回っているためだといいます。米連邦地裁で独禁法違反で問われているにもかかわらず、です。
要するに米中協議が妥結すれば、知的財産権の保護が強化されるので、華為問題で下げている今は、買いのチャンスだというわけです。
したがって、米中協議決裂となった場合には、この思惑ははしごを外されることになるのでしょうが、私見では米中協議が決裂することはありえない、と考えています。
また、この思惑は必ずしも、クアルコムが特殊な例とは言えないということです。
先述の日本企業の今期最終損益予想では、エレクトロニクスは27.6%の減益予想なので、たしかにまだ今期最悪を予想している向きが多いでしょう。結果はそうなるとしても、株式相場は9ヶ月先行で動くとすれば、エレクトロニクスセクターにも早晩チャンスが来る可能性を否定はできないでしょう。
これが米中問題で一番矢面に立っている業種の一つですから、米中協議の進展具合で上記の楽観論も揺れ動くことになります。
当レポートと同じく、先述のクアルコム株に対する楽観論は6月28-29日には米中協議が妥結するという前提になっているものと推測されます。
足元で、このシナリオが大幅に遅れるという観測が台頭してきていますが、果たしてどうでしょうか。

★不思議なほど楽観的な日本企業の今期見通し。
先述通り、株価の下落にもかかわらず、米半導体業界にはさほど危機的な意識はかつてほどは見られません。このことは、日本についても同じです。
今回の日本企業の通期決算発表で明らかになった、今年度の見通しについては、驚くべきことに、非鉄金属セクターは37.9%最終増益予想。機械は16.1%増益予想。繊維も22.5%増益予想。一番苦しいと言われる自動車・部品セクターでも8.3%増益予想。精密セクターも6.8%増益予想。
製造業全般を、非製造業のそれより見劣りさせ、足を引っ張っているのはなんと医薬品の65.5%減益予想です。
ロンドンの銅市況は4ヶ月ぶりに6000ドルを割るなど、安値更新という中でのこういう見通しです。
これは、経営サイドの読みが甘すぎるのでしょうか。つまり相場的にはダマシでしかないのでしょうか。しかし、期初の予想だけに、相当慎重に見た結果のはずです。
こうしたことどもが現在景気・相場の勃興を期待させるわけです。さて、現実はどう動いてくるでしょうか。

★【赤備え】戦略方針:
個別主体の【梁山泊】モデルと、日経平均という指数プレイの【巌流島】モデル。

【梁山泊】モデル~資産均衡化。
33%を目安に1357(日経ダブルインバースETF)によるヘッジ、これにより資産の均衡化を維持。それ以上1357を購入して、資産全体を実質的なショートポジションにまでする必要はないと判断しています。チャートの位置は最悪ですから、ショートポジションでも良さそうですが、それにするには遅すぎるでしょう。
また、個別銘柄は中小型株中心にトレンドを崩していないもので資産を固めている「はず」ですから、全額1357に傾斜させる必要もなかったはずです。
あくまで現状では、1357を適宜ヘッジ買い持ちすることで、保有現物株の評価目減りに備えて資産を均衡化させるだけで良いと判断している次第です。
【梁山泊】では1357のヘッジは資産全体の22%、キャッシュが7%、残り7割弱が現物株保有のままです。

【巌流島】モデル~1357買い持ち持続。
5月10日以来、引き続き1357の買い持ちの持続です。

以上

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増田経済研究所
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