【チャートの急所】第1回 1332:日水 出来高の急増によるオーバーシュート(行き過ぎ)
株価チャートは、時に投資家の心理を色濃く反映し、特定のパターンを形成します。そんな特定のパターンを分析し、来る売買に用いるのがテクニカル分析です。このコーナーでは、【チャートの急所】と題して、個別銘柄の直近のチャートから、キモとなるパターンを解説していきます。
第1回 1332:日水 出来高の急増によるオーバーシュート(行き過ぎ)
上記1332:日水の日足における急所は、急騰局面における出来高の急増によるオーバーシュートです。従来、出来高の急増は、それだけ売買が活況を呈していることを意味し、トレンドの強さを伝える意味を持ちます。しかし、今回の急増局面では、途中にストップ高を挟み急騰しており、何らかの材料出現により買いが殺到したと考えられます。
上昇局面における出来高の増加は、買いの強さを表しますが、それがより高値圏において出現すると、注意をする必要があります。なぜなら高値圏において、より大きい買いが成立すると、それ以上価格が上昇するためには、さらに大きい買いが入る必要があるからです。
突発的に飛びつき買いを行う投資家は、それだけの裏打ちを持つことなく材料のみに踊らされて買いに入ることが多く、それ以上の買いが追随することがなければ、そこが天井となって売りエネルギーが相対的に多くなり、下落が始まることがあります。
上記日水も、突発的な出来高の急増を伴った上昇から、約一週間程度後に天井を形成しており、これより高い値位置では買いが続かず、その後、だらだらと下落を続けました。短期から中期の投資スタンスの投資家であれば、買いを保有してこのような局面に遭遇した場合には、短期的な利食いを検討するパターンといえます。それが今回の、出来高の急増によるオーバーシュート(行き過ぎ)です。間違っても、材料で飛びついて買う局面ではないのです。

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