株式投資では、悩めば悩むほど負けます。なぜだと思いますか?
株式投資で成功することは、ネットで散乱する情報のように、楽ではありません。むしろ、分かっていてもできない、そんな辛く、苦しいことを実践する毎日です。だからこそ、投資にメンタル=感情のコントロールが必要なのです。
第2章ビビるから失敗する
2-1 なぜ投資家のメンタルが大切なのか?
投資において、メンタルが大切か、技術が大切か、という議論がよく交わされます。しかし、それには議論の余地はありません。なぜなら、技術を使いこなすのは投資家という人であり、人が何らかの行動を起こすときには必ず心理的な影響があるからです。つまり、技術を大切にするためにも、メンタルを無視することはできないのです。
私は、過去10 年以上にわたり、数千人もの投資家の質問や悩みに答え、また自分自身でも投資を続ける中で、紛れもなく、投資においてはメンタルが大切であると認識しました。その理由は、「私たちは、お金というものを命の次、あるいは命と同等に大切なものとして考えており、投資家はお金の増減に常に身をさらしているから」です。
投資とは、直接的にお金を増やしたり減らしたりする行為です。そのお金は、多くの人にとって命の次に、あるいは命と同等に大切なものです。それだけ大切にしているものが常に増えたり減ったりすれば、私たちの心は自ずと揺れ動くでしょう。心の揺れは、時に欲として、時に恐怖として、私たちの心を支配します。そうなったとき、私たちの心は、私たち自身をある決まった行動へと駆り立てるのです。これが、投資家にとってメンタルが大切な理由です。
次に、具体的に投資を始めたときに起こる心の動きと行動が、いかに投資に対して理に適っていないかをご説明します。投資家が売買を行うと、次の瞬間から利益や損失を生みます。短い期間のうちは、利益も損失も小さい額なので、それほど問題にはなりません。利益も損失も、少額であればそれほど心を動かさないのです。しかし、2 日、3 日と時間を経過すると、利益も損失も徐々に大きくなり始めます。この時点で心が揺れ動き始めます。利益が上がっている場合には、「利益を失いたくない」という感情が起こります。そして、損失を被っているときには、「何とか損失を回復させたい、取り戻したい」という気持ちになるのです。
これらの心の動きにより、投資家は2つの行動を取ります。
① 利益が上がっている取引の決済を行う(利益を手に入れる)
② 損失を被っている取引の決済は行わず、先送りにする(俗に「塩漬け」と呼ばれる行為)
この行動は、あなたの取引口座の中に、評価上の損失、いわゆる「含み損」の取引だけが残され蓄積されていく、という状況を生みます。その中には、運よく損失を回復する取引もあります。しかし、すべての取引の損失が回避することなど不可能です。損失に対処する方法を知らず、ただ損失を避けるためだけの先送りの行動を続けることで、含み損が拡大し、いつしか資金面・精神面で耐えられなくなり、損失が拡大した状況で決済を迫られます。これが、初心者の個人投資家が損失を拡大させ、市場から撤退していくメカニズムです。だからこそ、投資家は自分の心の動きを知り、感情のままに行動しないことが重要なのです。
株式投資には、あなたがまだまだ知らない多くの損失の理由と利益の理由があります。それらを知って、有利に株式投資を続けたい人は、私が書いた書籍「誰も教えてくれなかった 結果を出す株式投資理論」を読んで手に入れてください。この本の内容は、私が利益を上げる中で、大切だと痛感して、実体験からのものです。

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