【ニュース解説】「経済減速阻止へ協調」
経済減速阻止へ協調
G20財務相 為替、緊密に協議
市場変動「実態映さず」
日米中など20カ国・地域(G20)が中国・上海で開いた財務相・中央銀行総裁会議は27日、世界経済の減速を阻止するために「すべての政策手段を用いる」との共同声明をまとめ、閉幕した。中国を起点とする不安の連鎖に歯止めをかける狙いだ。為替では「過度の変動」への警戒を示した上で「緊密に協議する」と踏み込んだ。中国には着実な構造改革を求めた。(日本経済新聞2月28日1面記事より)
原油安や中国及び新興国の景気不安による世界的な株安の中で、大きな注目を集めたG20が開催され、一定の協調体制の確認を行い、声明として発表されました。市場参加者の多くが感じているように、G20としても現在の市場変動は過度に行き過ぎた不安心理の偏りと捉えているようであり、それを「実態映さず」と表現しています。印象的なのは。「すべての政策手段を用いる」という強い言葉を使っている点です。政策の総動員は、金融政策、財政政策。構造政策の3つの面を指しており、特に影響力の大きい中国に対して構造改革を迫っています。
G20において、これだけ強い言葉と姿勢が確認された点は、市場に対して安心感を与える内容と評価できる一方で、これだけの強い言葉や姿勢を引き出すほど、現在の世界金融市場の動揺が強いことを感じさせます。
為替市場においては、「過度な変動」への警戒を強めていますが、自由市場においては最も活発な売買がなされるときに、過度な変動は必ず発生し、それは各国の中央銀行や政府の力をもってしても、止めることは容易ではありません。
そのことを考えると、このG20後の世界の金融市場の動きには注意が必要であり、次に動意づいて動く値動きには大きい注意が必要です。このイベントを契機として、次の流れがどのように決定されるのか、1つの大きな分岐点を迎えています。

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