【ニュース解説】「産油国、原油安に危機感」
産油国、原油安に危機感
OPECの枠越え増産凍結合意
減産には踏み込めず
サウジアラビアとロシアなど4カ国が16日、条件付きながら原油増産の凍結で合意した。底の見えない原油価格の下落にしびれを切らし、石油輸出国機構(OPEC)の枠を越えて生産調整を探るまでに追い込まれた。だが利害が交錯する産油各国が足並みをそろえて身を削り増産凍結を実行できるかどうかは不透明だ。(日本経済新聞2016年2月17日3面記事より)
原油価格の下落に歯止めがかからない中で、条件付きの増産凍結という、需給面におけるニュースが中東から届いています。これまでの原油価格の下落は、シェールオイルの拡大や、需要の低下に加えて、産油国サイドで供給面での調節がなされなかったことが大きな原因で、供給サイドで最も大きい力を持つのが、石油輸出国機構(OPEC)です。
これまで歴史的に、原油の価格下落の際にはOPECが中心となって減産を行い、需給バランスが引き締まることによって、自然と価格の改善が見られてきました。しかし、OPECの影響力が低下し、OPEC内でも足並みが揃わないことから、減産を行うことができず、供給過剰が起こることで、さらに価格の下落を招くという悪循環がこれまでの原油市場の背景でした。
商品市場とは、モノの価格を取り巻く市場であり、この市場は、需要と供給のバランスという、最も単純なファンダメンタルにより価格が左右される市場です。また天然資源である原油の生産には、最低限の算出・販売コストが必要となり、無限に価格が低下していくことも考えにくい背景があります。
その中で、供給サイドのニュースとして今回の増産凍結合意は1つの意味を持っており、次に待たれるのは、何らかの供給引き締めの材料やニュースになるでしょう。
既にNY原油市場は2/11に目先の安値を付けて、日足安値切り上げの戻りの上昇を開始しており、同安値を切り上げる今後の上昇は大きな注目ポイントです。2016年2月11日は歴史上の大きなポイントになるかもしれません。
NY原油 日足チャート 2016年2月19日
チャート出所:「Edge Trader」 インベストメントテクノロジーズ(株)

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